No18『ぬるい麦茶』 逆塔ボマー

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661437217714



こちらはすでに投稿された『虫取りするガキをニコニコしながら眺めていたお姉さんたち』に続く、同一作者さんによる二作目の作品となります。


実は本自主企画におけるレギュレーションでは、同一人物による複数作品の投稿には制限を設けていません。

これは作品が思ったよりも集まらなかったら、主催者が一人で何作も書くことで盛り上がってる感を演出しようと、意図的に用意したルールの抜け穴だったのですが……実際には、そのように使われることはありませんでした。


さて、虫ガキ作品初のメタ・虫ガキ小説だった『~お姉さんたち』とは異なり、こちらは王道のホラー小説となっています。


ある日、虫取りをしていた少年が出会った「死を想起させるお姉さん」。


意外なところからその正体が明らかとなり、虫ガキはお姉さんがどういう存在だったのかを知る。

それは不可解で不可思議なものだけど、決して邪(よこしま)なものではない――そう理解して、少年の一夏の物語が終わる。


――と、思っていたのですがね。


タイトルにもある「ぬるい麦茶」が意外な役割を果たす結末に、ホラーの本道を見ました。


怪力乱神を語らず。

「わからないもの」を己の理解で「わかるもの」と判断してしまう傲慢。


虫ガキが支払った授業料は、手痛いものとなったようです。

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