No09『少年! あの森で虫取りをする時は、怪しいお姉さんに気をつけるんだよ。……私のことかい?』 葉去芽

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661302944255



お姉さんと少年の物語です。


さて、本作は本編とボーナストラックに別れているのですが……。

なんと紹介したものか。


とりあえず読んでもらいましょう。短編ですしね。



読みました?



読んだと解釈しますよ?



まだ読んでなかったら回れ右です。



では、以下で本作の核心に触れます。



やられたー!


「お姉さん」と「少年」ですね。

「私」と「僕」ですね。


最初、ボーナストラックを読んだときに事態が飲み込めなくて、再読してようやく理解できました。

完全にラブコメを読む脳で読んでいたので……。


そういうわけで、本作は叙述トリック・ミステリなわけですが、同時にメタ・虫ガキ小説でもあります。

というよりメタ・おねショタ小説といったところでしょうか。


なんでも知っているお茶目な「私」と、突っ込み気質の冷めた「僕」。

この二人がいれば、当然ながら白いワンピースに麦わら帽子のお姉さんと、そんなお姉さんにまんざらでもない少年を幻視してしまうものです。


二人の軽妙なやり取りが心地いい分、まさかその前提を崩してくるとは思いませんでした。


こういった作品は、今回の自主企画のような同一のお題に対する作品群のなかにあると、より映える仕掛けだったと思います。


セーラー服の由来、でさりげなく匂わせているのも良きですね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る