私の覚悟

「……それでも、なんとかならないでしょうか」


「ですが、あなたが倒れられてしまいますと私達としましても……」




 何か、なにか考えなくてはならない……


 原因を取り除けば……この人たちは、できれば続けさせたがっているのは間違いない。




 何か……













「利尿剤……」



「ん? 何か?」



「利尿剤無しで、今後もオモラシして、レポートします。

 おねしょだって、いつかはします。

 ……ですから、お願いです。

 続けさせてください」


「……本気ですか?」



「はい……ですから、あんな分厚いオムツじゃなくても大丈夫です。

 だから、なんとか……」



「裕子さん」


「はい……」


「人間、一般的にトイレトレーニングを終えている人間というものは、トイレ以外では排泄出来ないものなのです。

 今までオモラシ出来ていたのは、本当に強力な利尿剤あってのもののはずです」


「はい……」


「それでオモラシする……いや、出来るようになるということは、社会的にも心理的にも、実験後に強い影響を残しますよ。

 それでも、やる気ですか?」



 社会的……そんなもの、もうとっくにボロボロ。

 気にする必要はない。



「はい」


「……もうすぐ夏休みです。

 その間に、出来るようになっていれば9月以降も幼稚園に通っていただき、実験を継続します」


「はい……! ありがとうございます」

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