第5話 老いた哲学者

老いた哲学者

           エミリー・J・ブロンテ作

                 額田河合訳


富なんかどうでもいいこと

愛もちゃんちゃらおかしい

名声への情熱も所詮ただの夢

夜明けとともに消えさった


もし祈るなら、ただひとつだけ

おのれのために私の唇を動かす祈り

それは-「いま抱く心はそのままに

ただ私に自由を与えたまえ」


そう、私の足早な人生が去りゆく今

それだけが私の願うことのすべて-

生と死の中、耐えぬく勇気をもった

何ものにも縛られることのない魂!

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