題名のない小説
寝癖のたー
タイトルのない本
『6ページの運命。この小説に、タイトルはありません。』
というタイトルの小説が俺の目に留まった。
――いや、タイトルあるじゃん。
ここは俺がよく通う古本屋の中でも激安に値引きされた本たちの売り場、俺はこの小説を手に取り、考えた。
――どう見ても200ページはあるように見える一般的な文庫本のように見えるが、6ページとは一体……?
背表紙の説明を読んでみる。
――――――――――――――――――――――――――
『この小説にタイトルはない』
あなたは運命を感じることになるでしょう。
――――――――――――――――――――――――――
なんともこじんまりとした紹介文だ。
試しに俺は表紙をめくり中を読んでみる。
ところが、
――――――――――――――――――――――――――
【この小説に、タイトルはありません】
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とだけ書かれていて。次のページからは何も書かれていなかった。俺はパラパラとページをめくってみると最後の数ページに文字が書かれていた。
――――――――――――――――――――――――――
【1ページ目】
2023年 小学校
君たちはすでに出会っていた。
彼女には失望される。
【2ページ目】
2023年 本を手に取る
あなたは 閾ェ繧峨ヮ驕句多繧呈ぁ繝ォ
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【3ページ目】
2023蟷エ 諱倶ココ縺後〒縺阪k
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【4ページ目】
2024年彼女が 繧ウ繝ュ繧オ繝ャ繝ォ
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――――――――――――――――――――――――――
2ページ目の途中から文字化けしている。なんて書かれているのかわからない。
しかし、本のデザインは奇麗で、状態も良い、何よりこのざらざらとした質感が、俺のフェチズムを刺激した。
50円、破格の値段だった。こんな意味不明な本を買う奴なんて居ないということだろうか。
本棚を飾るには悪くないだろう。
俺はこの不思議な本を今日買う本としてレジに持っていき家に着いた。
家で俺は文字化けの内容をネットに入力し解読した。
解読した結果、5、6ページはこんな感じの内容だった。
――――――――――――――――――――――――――
【5ページ目】
2086年 結末
彼女は結局見つからなかった。
俺は童貞だ。
しかし、幸せだったよ。ふふふ。
【6ページ目】
20XX年 本に題名がつけられる
(以下解読不能)
――――――――――――――――――――――――――
「つまり……これは……俺の……人生?」
もう一度直接本を眺めた後、本とたばこ用のコンビニライターを持って、気分を変えに外に出た。
近場の公園のベンチでポツンと座り、空を眺める。
ふと、容姿端麗な女性がこちらに歩いてくる。
「あの、隣座っても、よろしいですか?」
「あっ……もしかして朝日さん?」
彼女は小学校の同級生だった。
「あっ、はい、そうですけど、どこかでお会いしましたっけ?」
「ああ、はい小学校で」
奇麗な瞳だ……。
思わず吸い寄せられてしまう。
――美しい!!
「あの……どうかしましたか?」
「あっ……その、すいません」
「?……その本、題名が随分変わって……」
彼女は途端に青ざめ、一目散に走りだした。
「あ……え?」
ふと本を見やると、そこには題名が書いてあった。
『縺薙l縺ッ蜷帙ヮ縺溘a縺ォ縺ゅk譛ャda
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