見抜かれた躊躇い

死のう。


神社の辺の湖は深い蒼。


一度沈めば浮かんでこれまい。


踏み出せば惹き寄せられるように深淵へ。


太陽光も届かぬ紺碧に安らぎが満ちる。


死の間際湖底に輝く花々が咲いた。


発光する鯉が散ってまるで湖底の花火。


まだ見たい。


瞬間襲う苦しみ。


光は消え漆黒の大鯉がパクリ。


終わらない闇に囚われた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る