四季、絆を繋ぐ者

Rie🌸

第1話 プロローグ

自動扉が開く。

俺はレジの前で笑顔を作る。

「いらっしゃいませ」


暦シキ《こよみ》

歳は35歳ー...

24時間営業のコンビニ店の店長である。本部直営のこの店を任された。

中肉中背で黒髪。前髪も揃えて襟足もそろえている。

イケメンではないがブサイクではない。至って普通の外見だ。

彼女いない歴=年齢である。


時刻は午後9時だ。

「店長上がりますね」

パートの吉田理乃よしだりのさんが俺に声をかけた。

「うん。夜勤の子が来るのは10時だから、俺がレジに入っておくよ」

彼女はペコリと頭を下げた。


理乃さんは俺より2歳年上の38歳、背が低くぽっちゃり体系で童顔のために、実年齢より若く見える。

スタッフルームに入った彼女は、仕事中はお団子にしている栗色の髪をほどきベージュのコート。グリーンのマフラーを巻いて帰り支度をして出てくる。

「店長、お疲れ様でした。」

ニコっと笑顔を見せる理乃さん。

「お疲れ様」

彼女は俺の顔をじっと見つめる。

「?」

「気を付けてくださいね。最近コンビニ強盗が多発してるから」

心配してくれてことに思わずじーんときた。

「ありがとう。理乃さんも気を付けて帰ってね」


◇◇◇

店内には客はいなく静寂だ。

(理乃さん、アニメ好きだったよな。映画誘ってみようかな)

若干頬を赤くしながら、そんなことを考えていると自動扉が開いた。


「いらっしゃ」

俺は入ってきた男達を見て驚愕のあまり目を見開く。

覆面の男が3人銃を持って入ってきたのだ。


「金をだせ!」

コンビニ強盗ー...


◇◇◇

俺はレジの下にあるボタンを押す。このボタンを押すと、警察に通報できるのだ。

レジを開いて金を用意していると男達の話声が耳に入る


「どうすんだよ。さっきチビの女を一人殺しちまった」

ピクっと動きが止まる。

「あのグリーンのマフラーをした女か、俺らに出くわしたのが運のツキだな」

「!!」

どうしようもない怒りが沸き上がってきた。

「お前ら、理乃さんに何をした!?」

俺は男たちに掴みかかった。

「何だ、てめえ」

揉みあっていると、男たちのリーダー格が俺の胸に銃口を突き付けて引き金を引く。


パンッ

俺はその場に崩れ落ちる。胸に激しい痛みが襲った。

逃げる男たちの足音....パトカーのサイレン

(理... 乃さ)


俺の意識はそこで途切れた。





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