第6句 夏花火 想いに震え 火玉落つ

「折角だから・・・」

君が花火のセットを籠に入れた。


アイスを食べながら。

私達は近所の公園に向かった。


「わぁー・・・」

線香花火のパチパチが嬉しくて。


私はタメ息のような歓声を上げていた。


青白い光に照らされる君の顔が間近に見えて。

凄く、幸せに感じたから。


何本目だっただろうか。

なるべく長く、パチパチを続けたくて。


慎重に花火を持つ私に。


君がオズオズと。

それこそ、真剣な表情で。


「好きです・・・」


その声に。

私の指が震え。


火玉が。

ジュっと。


暗闇に落ちていったのです。


「わたしも・・すき・・・」

声が掠れてしまった。


でも。

君は。


私の大好きな白い歯をこぼして。

微笑んでくれたのです。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

十七文字のラブストーリー 進藤 進 @0035toto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ