怖がりJKと七不思議の8番目
喜楽寛々斎
プロローグ
蝉が鳴き出す頃になると、私は二人の少女を思い出す。
目も
見た目も性格も真反対に見えた彼女たちの面影は、季節の巡りを重ねても不思議と私の中で薄れることはなかった。
単純にあの二人の見た目の印象が強かった、というのもあるかもしれない。
片方の少女は、この古風な制服でああもスタイリッシュな空気感を
もう一方の少女の方は制服を着崩したりはせず、始終にこにこと人当たり良く微笑み、挙措は品よく言動はおっとりとしていて、いかにも育ちの良いお嬢様という雰囲気だった。
そんな二人が並べば、妙に目を惹いたのは間違いない。
ただ———それぞれに我が道を行き、全力で高校生活を
この女子校で囁かれてきた七不思議の8番目の謎が、あの二人によって密やかに解き明かされたひと夏は、私にとっても少し特別な季節となったのである。
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