生徒会長
周りからの視線を受け流しながら栄那との食事を終えてからそのまま5,6時間目を過ごした。
授業が始まってからも周りからの目線がきつかった。
これ明日からいじめとかに発展しないよな?
「おい澪未矢、お前あれほど大胆な行動するなって言っただろうが」
「いや、だって栄那があ~んしようって言ってきたから」
「そうだとしても場所を考えろよ」
長谷川が呆れながら言う。
「多分これからのファンクラブ会議でお前への制裁についてが議題に上がるな」
そんなあ~んってタブーだったの?
「まぁ安心しろって、もしお前が刺されそうになったとしても俺が守るからよ」
「お、おお頼むぞ」
そう言ってくれるのは大変たのもしいが、こいつが実はがり勉君説っていのが浮上してきたからな。
というのもさっきの5,6時間目も、周りがほとんど寝ている中でこいつだけしっかりと授業聞いていたからな。
しかも積極的に挙手してたし。
まぁもちろん俺は途中から睡魔が襲ってきて寝てしまったが。
「それよりもお前は一応生徒会役員だろ。そんな肩書があるのに授業中寝るなんてどうかと思うぞ」
生徒会だと?
これまた学園ものによくある設定だな。
主人公が生徒甲斐なんてもろにあるあるだな。
「今日もこれから生徒会の仕事があんだろ」
「え?そうなの?」
「そうなの?ってこの学校の生徒会はふつう毎日活動してるだろ」
そんな仕事ないだろ。
「とりあえず早く行けよ、
まぁ生徒会役員手設定なら仕方ない。
超めんどくさそうだが行かないわけにもいかない。
生徒会室に向かう。
ちなみに俺は生徒会に所属したことはない。
「お、ここがそうだな」
生徒会室と教室礼が張られている教室に到着した」
「あれ?開かないな」
鍵がかかっているのか?
職員室に鍵を取ってこなくちゃいけないのか?
コミュ障にとって職員室という場所は天敵だ。
俺が職員室に行くのを躊躇していると
「...先輩、こんなところで何してるんですか?」
後ろから声が聞こえてきた。
振り向くと赤髪ロングで、栄那とはまた違う優等生那雰囲気を醸し出している女子が立っていた。
「え、あ、ああ、どうも」
「どうもじゃないです。何ドアの前に突っ立ってるんですか?鍵がかかってるのなら職員室まで取りに行けばいいじゃないですか」
正論である。
ただ俺がコミュ障だから職員室に行くのをためらっていたなんてとてもじゃないが言えない。
「まぁ先輩のことだからどうせコミュ障で職員室に入るのが怖かったってところだと思いますけど」
簡潔に言われた。
「まぁ鍵なら私がとってきましたからさっさと中に入りましょう」
「あ、あざす」
女子が鍵を開け、生徒会室の中に入る。
教室自体は狭く、テーブルには資料がどっさりと置いてあった。
奥には会長席と思われる場所があり、ネームプレートには赤条寺紅愛と書かれていた。
「それで先輩、今日のトイレ掃除のことなんですけど」
そう言って会長席に座る女の子。
つまりこの子が生徒会長の
でもさっきから俺のことを先輩って言っっていることから一年生ということだろう。
一年生が生徒会長っていうこと?
現実じゃありえないがゲームの中ならあり得るな。
「先輩?何ぼーっとしているんですか?」
「あ、すまん。それでなんだっけ?」
「...今説明したばかりなんですけど。いいですか、今日は私と先輩で二階の女子トイレを完璧に掃除します」
「女子トイレを掃除!?」
男である俺が?
「?何驚いてるんですか、いつものことでしょ。一応言っておきますが先輩がよく同人誌で見るような展開は起きないですよ」
今この娘同人誌って言った?
「それじゃとっとと行きますよ」
女子トイレに向かう途中でいろいろ質問して分かったこととしてはほかの役員はほぼ幽霊部員ということ。
俺は副会長でも書記でもなくただの雑用担当だということ。
「それじゃ掃除していきますよ。私は個室を主に担当しますから先輩は床や手洗いや鏡を掃除してください」
「はいよ」
私立ということだけあってさすがにトイレはそこそこ綺麗だった。
正直掃除する必要ないと思うが、生徒会長が完璧主義なのだから仕方ない。
...結局赤条寺に何回もダメだしされ2時間ぐらいかかってしまった。
「先輩、今日もお疲れさまでした。これで今日の業務は終わりなので帰って大丈夫ですよ」
生徒会室に戻った時にはもう外は真っ暗だった。
「それにしても最近の先輩の学校生活は少々羽目を外しすぎでは?」
「う」
おそらく紅愛が言っているのは栄那とのことだろう。
まさか紅愛も栄那ファンクラブの館員なのか!?
「生徒会に所属している身であのような下品な...失礼しました。少々品にかける女子生徒と一緒に手をつなぎながら登校するなんて生徒会の恥です」
あ、ファンクラブじゃなくてアンチの方だった。
「しかも今日は校庭で大勢の生徒が見ている中でまるで幼稚園児がやるおままごとのようなことしていましたよね」
アンタも見ていたのかよ。
「あのような行動はギャルゲーの中だけにしてください」
「...はい、分かりました」
今ギャルゲーって単語が聞こえた気がするが幻聴っていうことにしよう。
そういえば栄那が生徒階に所属していないことが驚きだ。
栄那のことだから俺のことを追ってきて生徒会に入っていると思ったが。
「何回あの方が生徒会に入れろって言ってきて私が全力で拒否したことか」
あ、そういうことか。
これで赤条寺もヒロイン候補に挙がったな。
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