第19話

頭の中に自分とは別の人格が存在する。


しかも数えきれないくらい。


想像するのは難しいと思いますし「本当なの?」と疑ってしまう方々もいらっしゃるでしょう。


私も正直自覚があるような無いような感じです。

なのでしょっちゅう主治医に確認をしますね。


「私の頭の中には他の人格達がいますか?」と。


その度主治医は

「うん、いるよ。今話しているあなただって僕初めましてだし」

とバッサリハッキリ言い切ります。


な…なんですと!?


私は主治医と初めましてなのか!?


確認のつもりが衝撃的な事を言われるのもしょっちゅうです。


他の人格達の存在について自覚があるような無いようなあやふやな感じです。


他の人格達と入れ替わる時記憶が無くなる事が多いのですが「あっ、入れ替わりそう…」とぼんやり分かる時がたまにありますね。


分かる時がは稀ですがうっすらそういう感覚があります。そういう場合は心がかなりストレスや苦痛を感じた時です。


「なんかしんどいなぁ…」と思っている時にそういった感覚になります。


ほとんどは無意識です。しかも瞬時にコロコロ入れ替わります。結構忙しいですよ。


それだけ入れ替わりが激しいので勿論身体に大きな負担がかかります。他の人格達もたくさんの身体の病気を抱えてます。


でもどれだけ他の人格達が頭の中に存在しようが、否定しようが他の人格達がいなければ私は人間としての日常生活が送れないのです。


消えてしまわれると困るのです。自覚があろうが無かろうが存在してもらわないと精神的にも物理的にも生きていけません。


それだけこの世界は『私』にとって苦痛なのです。

ストレスだらけなのですよ。


そんな訳で私にとっても他の人格達にとってもこの世界は優しくありません。






























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