#7 依頼の話とお風呂※
マルロスさんの声が聞こえたので目が覚めた。
「私の奇病を治してくださいました。
それに深く愛していただけました。
心から感謝しています」
そう言うレイラの声が聞こえた。
レイラはひょっとして俺が主人になって嫌なんじゃないかという不安が心の片隅にあったが、そうではない様子に安堵した。
マルロスさんが退出したみたいだ。
ちょっと間を開け、わざとらしく起きる。
「おはようございます、ご主人様。
マルロス様が呼んでおりました」
「ああ、そうかわかった。
でもその前に」
レイラにキスして抱きしめた。
彼女も抱きしめ返してくれる。
元気のチャージだ。
「それじゃあ、マルロスさんの所に行こう」
案内された応接室に入る。
「お呼びですか、マルロスさん」
「ええ、とりあえずご所望のポーションと仕事の報酬です」
ありがたく受け取らせてもらう。
「話というのは是非、ヨシユキ様にこそ見てもらいたい患者がいるのです」
この強調の仕方は余程重症なのだろう。
「知り合いに重い病を患っている方がおりまして、その方を助けてほしいのです。
目の病らしく、数年前に失明してしまった者です。
可能でしょうか?」
別に断る理由はないな。
絶対に治せるとは思わないが、大丈夫だろう。
「わかりました。
治せるかどうかわかりませんが、試してみましょう」
「ありがとうございます。
明日、こちらに患者を呼ぶので明日また来て下さい。
本日はお疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
商館を後にし、夕食を食べ、宿に戻ってきた。
今日はよく働いた気がする。
風呂に入りたい。
「レイラ、風呂って珍しい?」
「お風呂ですか?
お金持ちは持ってると思います。
公衆浴場はあるかも知れませんね」
そこまで珍しくはないのか。
宿の人に聞いてみるか。
「公衆浴場なら、1ブロック先にあるよ。
一部屋だけ浴槽のある部屋が開いてるよ、そっちに移るかい?
湯は自分で張らないといけないが。
代金も増えるよ?」
勿論YESだ。
浴槽のある部屋に案内される。
「これが浴室だ。
あまり大きくないが文句は言わないでくれ。
お湯は魔石を使えばでるよ」
魔石?
「レイラわかる?」
「はい、ご主人様」
なら問題ないか。
案内してくれた人にお礼し、早速風呂の準備をする。
レイラいわく、この魔石に魔力を流せばお湯が出るらしい。
俺もちょっと試してみたが、上手く使えなかった。
練習が必要なのかな?
だが魔石はこういう使い方をするのかと勉強になった。
レイラがお湯を張り終えたことを伝えに来た。
「レイラ、一緒に入ってくれる?」
レイラは顔を赤らめてコクンと頷く。
俺はレイラとの入浴を楽しんだ。
――――――――――――
2023/09/11 性的表現の過激な所を一部修正しました。
修正前のはノクターンノベルズにあります。
近況ノートから飛べます。
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