第4話

過去編


見つけた子どもは引退することになった。





私には友達が全然いなかった。しかも家族もいい家族でもなく頼れる人が全然居ないのに、私はこの子を無責任に引き取ると決めてしまった。


母として、余りにも急で、そして母と碌を見て学ぶこともしてない私はどう接したらいいかわからなかった。


けど、

「わ・・・わ・・・私は・・・き・・・きみのお母さんですよ」



「??」


「お、お母さんです」


会話が苦手な私はどうやってこの記憶を失ったこの子にどうやって母と教えてるか非常に苦労した。


だから、同じことを繰り返すしかなかった。



そして、普段から炒め物しか作らない私はこの子に退院して直ぐだし、美味しいものを作ってあげたった。


けど、できなかった。


私は自分で作ったご飯が不味くて、泣いた。

これからの不安と自分の不甲斐なさに、


でも、とりあえずそのご飯を出すしかない。


「ま・・・まずいだろうけど、これ食べてみて」


その子どもは一口食べて、不味そうな顔をした。


そして、そんな顔を見て、私はまた涙をしてしまう。


顔が見れない、下を向いて子どもに涙を見せないように隠す。


私じゃ、この子を幸せにすることなんて出来ない、引き取ららければよかっ

「えっ?」


頭があったかい。小さいけどの手の感覚があった。

「・・・」

 その子どもの顔を見ると、笑顔で頭を撫でて、トタトタと少し走って元の場所に戻ってまたご飯を不味くても食べてくれた。


 そんな、その子の優しさに私は勇気を貰った。

  ー

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