#Four.コマンド


18027年7月16日午後1時駅前カフェ内

アイスコーヒーを片手に見せたのはマジック。

逆さにするとこぼれず、波波紋さえもおこらない。

このマジック、種も仕掛けもございません。

文字どおりなんでもすることができ、カフェの従業員が仕掛け人なのかを疑われるレベルにま

ですることができる。

このわざを遥溜に習得してもらうべく、午後2時半。河川敷にて。

コマンドこの技術について。

コマンド、これを技術として生み出した原点は知らないが9500年前だろうか。

佐の父親から受け継いだ基礎的技コマンド。

その時代にコマンドという技術は生まれ、不老不死は今一人。

この技術を使うものは佐だけとなっている。

コマンドは使用の際、文字通りイメージは脳信号を自らの手で上書き、変更をする。

体の型や、脳の信号を脳で上書きする。

一番は冷静かつ集中すること。

コマンドのジャンルは枝分かれをしている。

種類は7つ存在。

ぐわつがた かしょう びょうれん しんきょう おうごん ぎょうこう にちりん

月津塊、火傷塊、淼連塊、森狭塊、黄金塊、垚広塊、日鈴塊。

この7つのコマンドが今、なぜ存在していないのか。

今は知らない、わからない、

そして、1個実現できない技が残っているのだが…。

コマンドのデメリットはレベルの高いコマンドにおいて、寿命や、酸欠、数時間の盲目、血流の上昇が纏う。

最悪、死。


5時間後

基礎を教えた。ものを少し浮かす、固定する、無重力にする。この3点


12029年11月16日木曜日13時ファミレスにて

あれから一年と4か月が経過、久しぶりに食べるファミレスのマルゲリータピザを食べつつ、

マインスウィーパーをする佐は相変わらず、退屈そうな目、どこも動じない手足、温かなピザを忘れつつある様子、すべてはいつも通り、だが一つ、いつもと違うところ。

何かを待つしぐさが消えない佐は、そんな様子だった。


サイゼリヤの入店音と同時に感じたのは1年という不老不死には短くとも、人間として長く感じたこの空白の一年は入店音が上書きをした。

扉が開ききったその瞬間、風だろうか。とても強い風。

客を巻き込み佐の席に向かってくる彼女の姿は何かオーラが違う。強さが違う。

ただ、何も変わっていない、この感じはまさに1年ぶりだった。

テーブル席16番、三人掛けようの椅子に押し倒されるように抱きつかれた。

佐は周りの目があった。

でも、安心感、ようやく、そんな感じであった。

机に寄りかかるように座る遥溜は佐のピザをひとかけら盗み、簡単に平らげた

「久しぶり、さみしかった?」

「まさかだろ。何かおごるよ。ただしここでは勘弁。」

「じゃあパスタでー。」「聞けや」

「コマンドは何を覚えたんだ。」

「月、水、土かな?」  「…マジ?」


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