第24話私、真田洋子は、悟を略奪することにした。

私、真田洋子にとって、若宮悟は理想の彼氏です。

可愛いし、頭もいいし、指導力もいい感じ。(特に指揮者で説得力抜群)


現時点で、邪魔なのは、まず、中山愛。

お隣さん?生年月日が同じで幼馴染み?おまけに両方のお母様のお乳を飲んだ?

それが、何なの?馬鹿馬鹿しいと思うんです。

いつまでも、乳飲み子でないんです、もう高2なんです。


愛が豊乳?美乳?確かにそうかもしれない、でも、私も負けません。

大きさも張りも、引けは取らない(脱いだら負けないもの)

(ちなみに三条春香は、平凡です)

(だから、安全パイ・・・あ・・・ジョークでないよ)


でも、悟は、胸フェチでないことは確かなんです。

(音楽部には、胸自慢がゴロゴロしているけれど、悟の差別はないんです)

(悟が喜ぶのは、いい演奏の時だけ、手抜きは怒ります)


お昼は、悟を独占します。(差し向いで食べます)(音楽話をしながら)


辛いのは、中山愛がお隣で、三条春香も通学路が同じ方向なこと。(私は逆方向)

こうなると、大事なことは、略奪すること。

そのほうが、悟にとって、明日への一歩が踏み出せると思います。

(さっきも言いましたが、いつまでも、乳飲み子ではないんです)

(来年は高3、音大の受験もある)(ちなみに私もホルンで音大を目指します)

できれば、悟と同じ上野の音大に行きたいなあと。

(悟の指揮でホルンを吹き続けたい)


今練習しているのは、モーツァルトの41番交響曲ですが、もう一つやりたいなあと思っているのが(個人的ですが)、同じくモーツァルトのホルン協奏曲。

(もちろん、私がホルン、悟はオーケストラの指揮・・・あるいはピアノ伴奏版)

そうすれば、悟の、「より近く」で演奏できるなあ・・・と。


・・・話がかたくなりました。

略奪作戦、次の計画は、悟との「二人だけの」デートです。

「釣り餌」は「東都フィルのペアチケット」です。

(実は、従姉が入っていて、チケットを手に入れました)


悟は、「釣られてくれるかな」と、言い出すまでが不安でしたが、もう目をつぶって・・・


「ねえ、悟」(震えた・・・不安で)

「何?洋子」(目が可愛い、なめたい)

「東都フィルのペアチケットがあるの」(もう勝負!)

「何の曲?」(お・・・釣り餌にかかりそう)

「田園と、皇帝(ピアノ協奏曲)と、エグモント序曲」(勝負だ、一気に!)


「うん!行く!」(悟略奪成功!)

(愛は聞耳立てて、ムッとしている・・・えへへ、私の勝ち)

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