裸一貫大脱出 〜バケモノだらけの地下墳墓より〜

地下……

川べりを歩く。洪水の傷跡が生々しく残る俺の畑に来た。結局、作物は全部流されていた。ため息が出る。

そして、更なる問題。

畑の真ん中に、地下へ繋がる階段が現れたのだ。

地下墳墓である。

散々な目にあったばかりなのに、運命とは憎いものだ。ため息が止まらない。

老魔導士が俺の肩を叩く。

「生きるため、戦わねばならんということだよ。盗賊もどき（ローグライク）！」

甲冑戦士と女弓手が囁き合ってヒソヒソと笑い合っている。

そんな俺たちをよそにスライムがブルンブルンと体を揺らしながら階段を一段、一段と降りていく。

俺たちも続く。仄暗い、死臭に溢れた地下墳墓へ突入する。

……旅は道連れ世は情け。

いつかは出会う黄金郷。一期一会の博打旅。

盗賊もどき（ローグライク）こそ、我が人生！