亡国の王女は処刑直前でここが前世のゲームの世界だと気づいたので暴力で死亡フラグを叩き折る!

ちーずけーき

亡国の王女、暴力で死亡フラグを叩き折る

第1話




―――がごん!



わたしはシャロリア・ファンテス

大陸で半分もの領土を占めるファンテス公国の王族

前世の記憶を思い出すまでは、気楽に国が亡国になるとも知らずただ笑って暮らせた

なのに、敵国ディステリア帝国が攻めてきてその生活は180度変わった

そうなのだ、わたしは今日、いや今この瞬間されます!

ギロチン台に乱暴に運ばれる

なぜ、この瞬間に前世の記憶を思い出してしまったのだろう...

この世界は私が前世でやっていたゲーム、『戦場のレクイエム』の世界

そしてわたしはゲームが始まる序盤に処刑されてしまう予知能力を持った可哀想なエキストラ

だがしかしキャラデザが滅茶苦茶かわいいという事でプレイヤー達の心をつかみ中盤辺りから処刑されたはずなのに邪神の手下として復活し戦うことになる

今のわたしに残されたルートは一回ジ・エンドしてからもう一度邪神の手下として復活するか、力尽くで逃げるか

もちろんわたしは逃げる...!

だってせっかく美人に転生したんだもの

長生きくらいさせろや

という事でわたしを乱暴に運んでいた兵士に顔面パンチを食らわせる



「へぶしっ」



兵士は言わずとも倒れる

さっすが将来邪神の手下...

物理攻撃の威力半端ねぇな

でもシャロリアには最大の欠点がある

それは魔法が使えないこと

だがそんな欠点暴力で解決していけばいい

挑発的に笑みを浮かべて民衆の前で言ってやった



「さぁさぁ、わたしを殺したければ、わたしに勝ちなさい!」



手招きをして倒れた兵士が持っていた剣を借りてぶんぶん振るう

わたしをだれだと思っておるのだ!

このシャロリア様だぞ!




「おい!罪人を早く処刑しろ!!」



兵士の隊長らしきおさっんが怒鳴る

それに合わせて蟻の大群みたいな量の兵士たちが津波のように襲ってきた

ふははは、血が騒ぐぜぇ



「そらそらッ!シャロリア様がお通りじゃい!!」



兵士達を斬って道を作っていく

次第に民衆たちの嘲笑いや陰口は悲鳴と絶望に変わっている

いいザマよぉ

進むに連れ蟻(兵士)の波が押し寄せるが難なく斬り捨てる

疲れるどころかストレス発散になってスカッとする

前世の記憶を思い出す前は散々牢屋でお世話になったからね!

殴る、蹴る、斬る、そして顔面アッパー

これがわたしの格闘術や!

大体この四パターンで兵士達は死ぬ

いつの間にか囚人服が血に染まっていて

それがとても鮮やかな紅の染料になっていた

だけど超がつくほど生臭い

これ、宴とかのドレスの染料にはオススメしない

多分後悔する

目の前の兵士より血染めの囚人服の方がよっぽど体にダメージ来るわ!

鼻が曲がりそう



―――兵士顔面パンチ事件から3日が経った

血に染まった刑務所を優雅に門から脱獄するわたし

わたしの元お城に戻って囚人服から質素なドレスに着替えてから屍の山を背景にして君臨する美女はどーよ!(ドヤ顔)

今のわたしは輝く長髪の金髪に蒼の瞳

顔はくりっとした瞳が特徴的な庇護欲をそそる美少女

残念なのは胸がツルペタなことだが貧乳には貧乳の良さがある!

そう自分に言い聞かせて早三時間

わたしは今、『戦場のレクイエム』の主人公、カイルに会うため馬車に揺られていた

カイルはゲームのパッケージを飾るために無駄にイケメンな脳筋キャラ

銀髪に銀目の聖騎士と言われても信じちゃうような見た目の狂戦士

カイルはそういう設定だった

ゲームの初期地点、魔女の森

そこにカイルはいるはず

魔物がゴロゴロといっぱいいるところだから右手にバットを持っていざ、出陣!

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亡国の王女は処刑直前でここが前世のゲームの世界だと気づいたので暴力で死亡フラグを叩き折る! ちーずけーき @04110411

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