第24話 解らない

 さきさんとの通信が途絶えて、さすがにこれは、

緊張のほうが先行してるが…


【はると、きつくない?これ、なんだと思う?赤い

ボタン】


【基本的に赤はだいたい非常事態。なので、これ押してもいいかもね。俺が押すよ】


ポチッ!ガタン!


【わっ!危ない!みさ、大丈夫?】


【大丈夫、それより、はると、私をかばって怪我しなかった?大丈夫?】


【大丈夫。なんだよ、これしっかり部屋あるじゃん!何もあんな狭い居住区にしなくても、でも、凄く寒くない?】


【私の考えだけどね、ここ制御室だと思うの。これだけの機器があるとすると、冷却しないといけないからかなり低温にしてるんだと思う。さっきの狭い居住区よりよほどマシだけどね】


 みさ、震えているね。寒いんだな、きっと。みさだけでも、居住区に戻ってもらおうかな?でも、狭いから恐怖を感じるよ、きっと。それにしてもこの部屋も扉がない?なんか、とんでもないもの作っている研究所なんだな。


【はると、ごめん、ちょっとお願いが…言いづらいんだけどね、その…くっついてくれないかな?寒すぎて】


 そうだよ、無理やり居住区に入って👕になってるから寒すぎる!何でもかんでも機器優先な作りだな。

これは改善必須!あとでしっかり伝えてやる。


※【はると、みさ、ごめん。もうすぐ解除出来そう。二分程度待って】※


【さきさん、寒すぎるから、早くして!】


※【………………………………………………】※


くそ、こっちの声は聞こえないか!


【みさ、くっつこう。暖かくなればいいな】


【はると、ありがとう…暖かい】


【ごめん、俺、汗かいて…】


【クンクン、嫌じゃないよ、何で気にするの?】


【だってさ、抵抗あるよ、汗って】


【はるとのなら、いい。むしろいい匂い】


 寒さのせいにして、ズルいのは解ってる。みさを強く強く抱きしめて。鎖骨にみさの顔が来るように包みこんだ。その時は走馬灯のように…


【みさ、暫くこのままで】


【うん、暖かいね、はると】


 ドキドキ、聞こえるかな。俺は暖かいけど、すごく緊張していて、ヤバい!暑くなってきた!


【はると、ここ辞めるの?りなからメールで聞いたけど】


【…目処ついたらね】


【………寂しいな、はるとがいて、当たり前だったし、私がOJTなのに、なにも言ってくれなかった】


【ごめんね、言いづらくて、まだすぐじゃないよ】


【はると、もっとギューとして】


???寒いのか


【みさ、痛くない?そんなに寒い?】


【はるとを感じていたいの】


さらに強く抱きしめた。みさ、腰細いな。


【はると、くすぐったいよ】


【あっ、ごめん】


 みさは、同僚、仲間、解ってる。自分でも言い聞かせているのか解る。言い聞かせてる?、なんだ?


嘘つけないか…くそっ。


無理だったな、本当の気持ちを抑えるのは。


ここでの判断は後悔するか、英断か?


 なんでこんなに惹かれるんだ?みさ、何か理由があるのか?解らない…

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