第19話 どうするか…


【さきさん、突然の用事って?】


【はると…ごめんなさい、お母さんの前で。はるとさん、来週からも来てもらえないかな?もちろん部長さんには話してある。了承済】


 勝手な。部長!俺に連絡なしじゃん。なんでそういうことを勝手に…


【すみません、さきさん。何も聞いてないけど】


【あれ?メールしたって、部長さんから届いてない?確認してみてくれる?】


 何の、あっ、部長のメール、迷惑フォルダに振り分けられて…何かイミフの記号とか入れたな。


【迷惑フォルダに…ありました】


※はるとくん、来週も研究所にお願いするよ※


 こ、これだけか…部長。さっぱりし過ぎ。何でこういうことを直接言わないかな~何で迷惑フォルダに入るんだろ?内容そのものが迷惑ってのはあってるね。


りなは、その話を聞いて、


【部長、私にも一言もなく、ひどい!納得いかない】


【さきさん、俺は研究所でそんなに役にたててないです。他の人を入れてくれるとか出来ないですか?ハード過ぎて体力持たないです】


【はると…はるとさん、あのね、るいとか、ユキとかもはるとさんの仕事を見て、やはり他の人では駄目ってなったの。みんながね、はるとさんにお願いしたいと。駄目かな?この前のね、みさ、との内容は無茶苦茶だった。あんなことは無いから。もっと時間も休みも取れるようにするから】


りなは、


【随分と定着率悪い会社ですね。貴方達に問題があるんじゃないですか?】


【ちょっと、ちょっと、りなちゃん。外行こう!ここは上司さんとはるとで話をしてもらおうよ】


【おばさん、この人勝手に…ちょっと聞いてよ、おばさん!】


【りなちゃん、ほら、モーニング食べに行こうね。ここは二人にね】


 りなを強引に連れ出した。あいつこんなにはっきり言うやつとは思わなかった。


【さきさん、お騒がせしました】


さきさんは笑って、


【好かれてるね、はると。解るよ。るいもユキも話しやすいって言ってたし、私も…それはいい。どうかな?部長の了承って言ってもはると次第…こちらとしては何としても来てほしい。お願い、ねっ、ほら美脚のお姉さんのお願いだからさ】


【その、美脚と絡めるのやめてくださいよ】


【だって、はると、チラチラ見てるよ、脚】


 う、うう、バレてる。ほんと目線は嘘つけない。

困ったなー、どうしよう。


【その研究所で何をすればいいんですか?この前と同じこと?】


【はるとにはいっぱい覚えてもらいたいことが。無理のない程度でいいから】


【さきさん、知ってるか知らないか解らないけど、俺、出向の出向ですよ。もとは今の部長のところでは無いんです。なので…】


【それね、聞いてる。保険とか面倒だからはるとの部長のところに完全に移行して、その部長もこっちにはるとが来るなら手続きすると、どう?それですっきりするでしょ?】


 まあ、どちらにせよ、いずれは辞めて行きたい場所あるからな。もうどっちでもいいや。当面は目的のための費用を溜めないとならないから。


【解りました。正式に月曜日からよろしくお願いします】


【ヤッター!ありがとう、はると。嬉しい!】


 さきさん、そんなに喜んでくれて。飛びついて来てくれて、あっ、俺汗臭い…って。


【はると…汗かいてるね…】


【すみません、臭いですね。着替えてきます】


 俺は慌てて、シャツを脱いで、着替えを、なんださきさん、何か言いたそう。


【はるとって意外といい体してるんだね】


【えっ、ちょっと見ないでくださいよ】


※ガチャ※


【おばさん、だから混んでるって言った…あ、はると…なにしてんの?】


【りなちゃん、ごめんね。おばさんよく、解って無くて…あ!】


ヤバっ、何でこのタイミングに帰ってきたんだ!


【はーるーとー!もう許さん!】


落ち着け、勘違いだ、りな!


さきさんは、笑って、


【仲いいね、ほんとの兄妹みたい!】


カッチーン!りな怒り😡MAX!


【さきさん、はるとを誘惑して、とんだ腹黒女だ】


【さっきから何?あなたは。はるとを独占したいの?はるとから来てくれるってなったんだけど】


【じゃなんて、はると、服着てないの?おかしいよね?絶対この女と何かあったよね?】


りな、さすがにこの女呼ばわりは…

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