第18話 バッティング

 激動の日々が終わり、週末。やっと休める。もちろん休憩はくれたけど、さきさんのスピードと、

なんというかプレッシャーって感じが疲れた。


 でも。あれほど引き止めに入ると、嬉しいかも。

気に入られるっことは誰であってもうれしいよね。


 とくに、さきさんみたいな美人、美脚…美脚は関係ないね…に言われるとね。もちろんこんなこと、りなにバレたら、それこそ大問題になってしまう。


 週末は予定は入れない。休む。寝る。ずっとダラダラすることにする。


 何があっても休む。誰から連絡きても休む。ほんとに疲れたよ…みささんほどじゃないけど。


【はると〜いる?】


今日は休む。寝る。ごめん、りな。出ないよ。


【………】


【はると〜、いないの?】


【りなちゃん、いらっしゃい。はると上にいると思うけど、返事ない?どうぞあがって】


 おいー、休むって言っておいたじゃんかよ。何で寝てるって言ってくれないんだよ。人の話聞いてないな。


【はると〜土曜日なのに、勿体ないよ。どっかいこうよ】


【疲れるんだよ、俺】


 聞いてるのか、聞いてないのか、りなはベッドに座り、さっとタオルケットをめくって、


【とりあえずコーヒー飲みに行こう!モーニングお得だから。🍞もついてくるからさ】


多いよね、そのサービス。それならばいいか。


【うーん、じゃ、ちょっと待ってて】


【解った。はると、さきさんのこと気になるの?】


【な、なぜ、急に、さきさんが?苦手なタイプって言ったじゃん】


【でも、お姉さんタイプで美人なんでしょ?それにさ…そういう関係って気になってきたりしない?】


【りなは、そんなこと心配してるの?】


【昨日さ、はるとが帰った後だと思うけどね、さきさんから電話あって、部長と今後のことで話していて、聞いちゃった。さきさんがはるとをこっちにほしいと】


【あれ、断ったんだけどね。粘るなー、さきさん!】


【何か大切な、言えないような関係あるの?】


【昨日だよね?確かハグして泣いたこと…?】


 りな、怒ってない?どうした?何で怒ってるの?

何が起きたのかな?


【はると!何ハグって?聞いてない!】


【待って、ちょっと落ち着け!帰りにね、泣きじゃくるから、るいさんがハグしてあげてって…変なコト無いよ】


【普通さ、そういうことする?あり得ないよね!しかも美人の女上司、さらに引き抜こうとしてる…もうこれは黒だ!間違いなく黒だ!】


【大袈裟だよ、りな!】


※ピンポーン!※


【誰か来たよー、出て!】


【今、ごはん作ってる。はると出て!】


【なんだよー、こんな朝から、りなくらいだぞ来るのは。俺着替えてないし、汗臭いよ。やだなー】


【クンクン、はると寝汗かいたでしょ?】


【解ってるよ、りな!】


※ピンポーン、ピンポーン※


【はると、早く出なさい!】


【解ってるよ!】


※ガチャ※


【はーい、どちらさん……さきさん!】


 ついに、ここに来たよ。月曜日からこっちへって言いにきたの?部長、はっきりと断れよな。もう。


さきさんが、俺の両肩をしっかりつかんで


【さきさん、俺寝起きで、汗かいでるから…】


【はると、ごめんね、急に、凄く走ってきて、疲れちゃった…】


【さきさん、寝起きなので俺汗臭い…ので】


【いいの!そんなこと何気にしてるの?どうしても話があるんだけど…出られる?】


さあ、怒ったぞ!りな。


【あなたが、さきさんですか。はるとが先週お世話になりました。いくら何でも休みに部下の家に来るっておかしく無いですか!非常識!はるとの肩から手をどけてください】


りなはご立腹。母が、


【はるとの上司さん、わざわざここまで来ていただいて、すみません。どうぞ。お茶でも。すぐ出しますので。はると、凄くきれいな上司さんだね】


【おばさん、この人休みに押しかけてきたんだよ】


【りなちゃん、そんな言い方、駄目でしょ。お越しいただいたのに失礼じゃない】


りな、フクレてる。納得出来ないってオーラだね。


【りなさん?えーと、はるとの妹さん?】


カッチーン!!ヤバっ、りな激昂😡


【妹が兄に対してこんな態度する?彼女って解りますよね?はるとと付き合ってます!】









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