洗い流せ、全部

西沢きさと

洗い流せ、全部

 今すぐ、どしゃ降りの雨が降ってくればいい。

 そしたら、血も証拠も全部流れて、ただの死体だけが残るのに。



 殺人犯と同じ宿で寝起きすることになるなんて、死ぬまで経験することがないと思っていた。あんなのは物語の中だけのことで、現実に起こるようなものではない。そう考えていたのに、まさかの当事者になってしまった。

 俺、佐久間さくまかがりは、恋人の山内やまうちたけると温泉旅行にきている。

 いつでも他人と繋がってしまう現代人特有の疲れを、電波が通じない山奥で癒やしてください──それが謳い文句の宿に、繁忙期でくたくたになった心身を回復させるため宿泊していたのだ。

 何事もなければ二泊三日の旅だったのだが、二日目に降った予想外の大雨で土砂崩れが発生。この宿への唯一の道が塞がってしまい、帰れないまま足止めをくらっている。

 断線したのか電気も止まり、固定電話も通じなくなってしまった。携帯電話は謳い文句のとおり役に立たない状態で、まさかの陸の孤島体験を味わっている。

 外界のことを知れる唯一の手段、ラジオによると、大雨の影響が広範囲に渡っているため人手が足りず、宿までの道の状態は認知されているものの、通行止めが解除されるにはあと二日ほどかかりそうだということだった。

 だが、そこまではそれほど問題ではなかった。宿の人が言うには食料も水も予備があるらしいし、幸い真夏でも真冬でもないため空調も必要ない。停電の際、一番困るトイレも、古き良きボットン式だったのが功を奏した。

 最初は焦ったものの、二日くらいはなんとかなりそうだ、と俺は呑気に構えていたのだ。多めに仕事休めてラッキー、ちょうどいいから尊とゆっくりいちゃいちゃしよ、くらいの考えだった。

 ところが突然、一人死んだ。

 本来ならチェックアウトする日だった三日目の朝、宿の職員が一人殺されていたのだ。どう見ても他殺だった。だって、胸を包丁で一突きされた血だらけの状態だったので。

「うそだろ……」

 思わず隣の尊に身を寄せれば、慰めるように背中に腕を回された。そのまま、廊下まで連れ出される。抱き締められてようやく、自分が軽く震えていることに気づいた。

 叫び声が聞こえて駆けつけた先に、死体が一つ。

 普段から肝が太いと言われがちな俺でも、さすがに動揺しているらしい。

「とりあえず、食堂に行こう」

 尊に促されて向かった先では、料理人さんが厨房で朝食を作っていた。

「叫び声、なんだったんです?」

 卵焼きのいい匂いが漂う中、俺はさっき見た光景を口にする。

「えっと……女将さんが殺されてました」

 ガチャン、と皿が割れる音がした。



 宿泊客は、俺たちを入れて五人。職員が三人、から二人に減った。なので、今この宿には合計で七人の人間がいることになる。

 その内の六人が食堂に揃い、顔を突き合わせていた。

「なんでこんなことに……」

 顔を覆って狼狽えているのは、宿の番頭さん。血だらけの女将さんを見つけて悲鳴を上げた、いわゆる第一発見者というやつだ。その隣では、さっき皿を割った料理人さんが困惑の表情で立っていた。

 俺と尊が座っている隣には、年配の女性が一人。その近くでは、神経質そうな眼鏡の男が苛立ちを隠さず机で指をトントン叩いている。

 場になんとも言えない空気が漂う中、最後の一人が食堂に入ってきた。

「あなた」

 紅一点であるおばあちゃんが声をかける。この二人はご夫婦なのだ。俺たちの近くにきたおじいちゃんは、奥さんに一つ頷いてから全員に向けて話し始めた。

「ひとまず、遺体を簡単に確認しました。死因は、心臓を一突きされたことによるショック死だと思われます。硬直が始まっていたので、昨日のうちに殺されていたかと。さすがに、詳しくは遺体解剖してもらわないとなんとも……。できる限りの現場の保存はしましたので、あの部屋には誰も入らないでください」

 おじいちゃんは昔、外科のお医者さんをしていたらしく、他の人よりは耐性があるだろうということで死体の処置を任せてしまったのだ。

「それで? 俺たちはこれからどうすればいいんだ。助けはいつ来る!」

 死体のことなどどうでもいいとばかりに、眼鏡の男が声を荒げる。

「そ、外と連絡を取る手段がないのは昨日確認した通りです。予定通りなら、明日くらいには道が通じるはずなので、それまではなんとも……」

「冗談だろ! 殺人犯と一夜を過ごせってのか!」

 番頭さんの言葉に眼鏡が噛みつく。その言葉に、おばあちゃんの肩がびくり、と揺れた。

 殺人犯。そう、この中に女将さんを殺した人がいることになるのだ。だって、今ここは外から遮断された場所なので。

 隣の尊に視線を向けると、彼も険しい顔をしていた。いつも柔和な笑みを浮かべている尊にしては、珍しい表情。それほど緊急事態なんだ、と改めて不安になってくる。

 ぎゅ、と尊の手を握れば、安心させるように反対側の掌が重ねられた。

「どうせあんたらで内輪揉めでもしたんだろ! 客である俺たちにはなんの関係もない話だ!」

「なっ、私か彼が女将さんを殺したって言うんですか!」

「そうとしか考えられないだろ! くそっ、俺は部屋に帰らせてもらうからな!」

 あ、これフラグでは、と思ってしまったのは、前に読んだ推理漫画のせいだ。こういう捨て台詞を吐いて部屋に閉じ籠もった人が、次の死体になっていたから。

 さすがにそれを口に出すことはできず、さっさと食堂から出ていく眼鏡男の背中を眺める。

「わ、私じゃありませんからね!? 女将さんには恩があるんです!」

「……俺でもねぇよ。一応言っとくが、凶器が包丁だったからって、安易に決めつけられたら困るぞ」

 番頭さんと料理人さんが俺たちに向かって弁明するが、言われたところでどう返していいのかもわからない。

「えっと……もちろん俺はやってない、です」

「昨夜はこいつとずっと一緒にいたので、俺でもないしこいつでもないです。まぁ、お互い庇い合ってるとか言われたらどうしようもないんですが」

 尊が困ったように笑えば、料理人さんが確認の言葉を投げてきた。

「君たちは確か、恋人同士だったな」

「うん、そう」

 大雨のせいで帰れない、となった時に、説明のために集まったみんなで世間話のような会話をしていたのだ。男二人旅の理由を聞かれたので、素直に恋人だと答えていた。驚かれたものの、面と向かって嫌悪感を出してくる人はいなかったので、場の居心地は悪くなかった。さっきぷりぷり怒ってた眼鏡の人も、最近はオープンだな、なんて戸惑いながら笑ってくれていたのに。

 しんみりしていたら、医者のおじいちゃんも会話の流れに乗ってきた。

「なら、私らも同じ条件ですな。確か、アリバイ確認に関する身内の発言は信用されないんでしょう?」

「あなた、ミステリー小説じゃないんですから」

 おばあちゃんが嗜めるように旦那さんの腕を軽く叩く。はは、とおじいちゃんが頭を掻いた。

 本日何度目かの、なんとも言えない空気が食堂に流れる。

 誰が犯人なんだ、という疑問と恐れはみんな持っているものの、物語のように場を仕切って真相を解明してくれる名探偵がいるわけではないのだ。

 結局、とりあえず腹ごしらえをしよう、と俺たちとお医者夫婦で冷めてしまった朝食をいただき、それぞれ部屋へ戻ることになった。

 割り当てられた俺たちの部屋に戻り、扉の鍵をかける。鍵といってもオートロックなどではなく、引き戸の閂。民宿形式の宿のため風呂も洗面台もトイレも共同で、部屋の外に出ないと用も足せない。昨日まではなんとも思わなかったが、殺人が起きた場となると途端に不安になるセキュリティ具合だ。

 でも、まだ何となく現実味がない。実際目にしたはずなのに、見た瞬間は怖かったはずなのに、あの死体は本当に本物だったんだろうか、とどこか思考がふわふわしている。

 畳に座りぼんやりとしていたら、不意に後ろから抱き締められた。

「尊?」

「篝、大丈夫だから」

「……俺、今そんなダメそうに見える?」

「どちらかというと、さっき見た怖いことを思い出してほしくないなって俺が思ってる感じ」

「うわぁ、甘やかされてるー」

 触れ合う体温のあたたかさに、ほっと息を吐く。気づかぬうちに強張っていた体から力を抜き、遠慮なく背後にもたれかかれば、満足そうな息が耳元に届いた。

「緊張してたの、気づかなかった」

「仕方ないよ。こんなこと、平気な人間はいないから」

「尊も?」

「うん。だから……ちょっと甘やかしてよ、篝」

 顎に指を添えられ、少しだけ上を向くよう促される。もたらされたのは、甘くて優しくて、なのに少しだけ荒い口づけだった。

 だから、俺は確信したのだ。


 あ、これ多分、犯人は尊だ、と。


 考えが合っているのなら、俺はこれから共犯になろうと思う。本当に犯人が尊なら、殺したい相手はあと一人残っているはずだから。


 俺たちは、どちらも孤児だ。同じ施設で育った幼馴染でもあった。

 詳しい理由は聞いていないけれど、尊は両親を失うことになった原因を知っていて、それに関わった相手を仇だと憎んでいた。俺は、憎む相手がいる尊に恋をした。

 だって、彼は今でもずっと両親を愛していて、奪った者を許せないままなのだ。なんて情に厚い人間なんだ! と胸がときめいたのが恋に落ちたきっかけ。自分にないものを持っている尊が、羨ましくて眩くて、ずっと見つめていたかった。

 尊にも俺を好きになってもらえたら嬉しいけど、そこまでは求め過ぎな気がして、でも好きなことは伝えたかったから自覚してすぐに告白した。

 俺は男だし、当時から尊はモテていたし、良い返事をもらえるとは思っていなかった。ただ、信じてもらえないのはさすがに悲しいから、本気だってことだけ伝わればいいなと自分が持てる限りの言葉で好きだと告げた。

 最初は面食らった様子でこちらの告白を聞いていた尊が、言葉を重ねる俺に対してどんどん優しい顔になっていったのを覚えている。疑ってない、びっくりしただけ、ちゃんと考えるから。そう言って頭を撫でてくれたことも、きっと一生忘れない。

 幼馴染として一緒に過ごした時間があったからこそ信じてくれたんだと思って、次の日の俺は施設の人たちみんなに感謝の言葉を投げて、みんなに不思議がられていた。尊はなぜか爆笑していた。


『俺はいつか人殺しになるかもしれない。復讐を優先して、篝のことを二の次にするかもしれない。それでもいい?』


 施設を出なきゃいけない年に、真面目な顔で尊に問われたのがこれだ。俺は、迷うことなく頷いた。

 尊が施設にきたのは、五歳の時。そんな幼い頃から抱き続けてる憎しみはきっともう尊の一部になってるんだろうし、優先するのは当然だと思ったから。寧ろ、そばにいられる可能性を尊から提示してくれたことが嬉しかった。

 そしたら、尊は少しだけ自嘲するように笑って唇を合わせてきた。キスの合間に初めて、好きだ、と告げられた。手放せなくてごめん、好きだよ、と。

 愛を囁かれたのも欲しがってもらえたのも、生まれて初めてだった。しかも、自分が大好きな相手に、手放したくないとまで言われたのだ。

 だから俺は、尊のためなら何でもしようと決めている。

 人間はいつか死ぬ。だから、尊が満足するなら復讐すればいいと思っていた。

 世間からすれば倫理観のない思考なのだろうが、死ぬとわかっている状況下に赤子を捨てて未だ罪に問われていない親もいるくらいなのだから、復讐という動機があるなら人を殺めてもいいんじゃないかとどうしても思ってしまうのだ。自分の境遇を理由として使っているだけで、単に俺の社会性が欠けているだけかもしれないけれど。うん、多分そう。殺人行為が正しくないことは、多分俺より尊のほうが理解してる。

 復讐が悪いことだと知っていて、それでも憎しみが捨てられないのだと苦しそうに語っていたことがある。尊は、涙を流さない。両親と一緒に失くしちゃったみたいだ。一人で抱えてるから余計にしんどくなるんじゃないかって俺は何度も分けてもらおうとしたけど、篝には背負わせたくないからってずっと突っ撥ねられてきた。

 俺にできるのは、両親を亡くした時の夢を見たあと、いつもより少しだけ荒っぽく触れてくる尊を受け止めることだけ。いや、普段が優しすぎるだけで、ひどい行為をされたことなんて一度もないんだけど。

 でも、もし、時が経って憎しみが薄れて、いっそ忘れたいって尊が思う瞬間がくるなら、代わりに楽しいことや嬉しいことを全力で与えてやりたいって考えていた。

 俺が尊にもらった泣きたくなるくらいの幸せを、俺が尊にあげたかった。

 どうやらその前に、復讐相手に遭遇しちゃったみたいなんだけど。

 巻き込むつもりはない、と頑なに拒否されていたので、仇相手が二人いることくらいしか俺は知らされていなかった。

 今は、それをめちゃくちゃ後悔している。

 もっとちゃんと聞いていれば、こうやってすれ違うこともなかったのに。



「な、んで…………かがり……?」

 脇腹に走った熱が刺されたナイフのせいだと気づいたのは、掠れた声が耳に届いてから。痛みは後からきた。

 人っ気のない真っ暗な川原のそば。そこに、露天風呂が一つある。川に温泉が湧いていて、そこから湯を引けるのがこの宿の売りの一つだった。大雨の影響で一時的に使用禁止になっていたが、増水していた川もここまでは届かぬまま落ち着き、目隠し用の木の囲いも健在だったため、今日から使えるかもと言われていたのだ。

 そこに用があったのは俺ではなく別の人間だったのだが、たまたまトイレで鉢合わせした俺が話の流れでくることになってしまった。腹を下して動けないと個室にこもった相手は、本当に腹を下してる様子だったので。殺人があった宿で無用心だとは思ったが、犯人が尊だと確信していた手前、まぁいいか、と受けてしまったのだ。

 本当に迂闊だった。俺の馬鹿。馬鹿すぎる。

 本来、ここにいるはずだった人間の顔を思い浮かべる。なるほど、あいつが尊の殺したい相手か。

 痛みに呻きながら思考をトイレの個室に飛ばしていると、ナイフから尊の手が離れていった。あ、ちゃんと指紋がつかないように宿の手ぬぐいを括りつけてる。えらいな尊。

「俺、が、篝を……?」

 動揺で声も手も震えている尊に、落ち着いてもらいたくて口を開く。

「っ、いい、から……!」

 声を出すだけで、傷口に響く。けれど、今はそれを気にしてる場合ではなかった。

「見つかん、ないように、逃げて、知らんぷり、して」

 俺が刺されたとなれば、まず容疑者から省かれるのは尊だろう。なにせ、恋人同士だと伝えてから、俺たちは人目も憚らずいちゃいちゃ触れ合ったりしていたので。一般常識内だったけど、実は険悪だった、などと思われることもないはず。

 そうなれば、復讐相手の警戒心も少しはゆるむかもしれない。尊が、近づきやすくなるかも。なんなら、今トイレに籠もってるであろうあいつを犯人に仕立て上げてくれてもいい。

 俺が刺された事実が消えてなくならないなら、うまく役立ててほしい。考えたのはそれだけだった。

「なに、言って、」

「俺、を、使って」

「…………え?」

「お前の、かたき、いるんだろ……っ」

 俺のことは気にせず、本懐を遂げてほしかった。

 尊は俺より賢いから、きっと有用な方法を思いつくはず。だから、早く動揺を飲み込んで、冷静さを取り戻して、考えて。

「あい、つ、トイレに、ひとり……っ、こもって、からっ」

 とにかく、今ここに留まることだけはしないでほしかった。刺した犯人が尊だとバレないように逃げてほしい。

「にげて、はやく……ッ」

 信じられないものを見るような目でこちらを見つめていた尊が、俺の渾身の叫びによって弾かれたように身を翻す。走り去る後ろ姿を眺めながら、よろよろと膝をついた。

「いっ、てぇえ……」

 でも、まだやることがある。

 俺は、刺さったままのナイフの柄を掴み、勢いよく引き抜いた。途端に血が溢れてきたけど、無視して手にしたものを思い切り振りかぶる。放物線を描いたナイフは、無事に近くの川に吸い込まれていった。流れこそ落ち着いたものの、大雨で増水している濁流に銀色が消えていくのを確認する。そこが限界だった。

 血が流れ続ける傷口も、倒れ込んだ石だらけの地面も、何もかも痛い。最悪だ。

 けれど、去っていった尊の背中には満足感を覚えていた。素直に言うことを聞いてくれてよかった、という安堵感。

 同時に、つらさも感じていた。ぼろぼろと零れ落ちる涙は痛みのせいだけじゃない。

 故意ではないとはいえ、彼に自分を殺させてしまう。そのことが本当に悲しかった。

 俺が、余計なことをしてしまったから。

「ごめんな、たける……」

 この体を刺した時の尊は、この世の何もかもに絶望したような表情をしていた。彼に、そんな顔をさせたくはなかった。できることなら、大丈夫だと声をかけて、抱きしめてやりたい。

 さすがに、もう無理だろうけど。

 徐々に、指先の感覚がなくなってきた。感じるのは寒さだけ。血を流しすぎたのかもしれない。刺された直後の傷口は熱いくらいだったのに、どんどん何も感じなくなってきている。

 多分、俺は死ぬんだろう。

 不思議と心は凪いでいた。そりゃ、長生きはしたかったけれど、こうなってしまった以上は仕方がない。

 これまで、ちゃんと幸せだったし、その幸せをくれていたのは尊だし、だからもういいや。

 ならば、願うことはひとつだけ。

 今すぐ、どしゃ降りの雨が降ってくればいい。

 そしたら、血も証拠も全部流れて、ただの死体だけが残るのに。

 尊のことだから、女将さんについては証拠を残すようなことはしてないと思う。でも、今回は動揺してたから、漏れがあるかもしれない。俺の頭で思いつく限りの証拠──凶器のナイフは捨てたけど。

 なんなら、もう一回大雨がきて、外からの救助が遅れればいい。ナイフも見つけられないくらい遠くまで流れていって、誰が俺を刺したかなんて完全にわからなくなればいいんだ。

 ちゃんと残りの仇にも復讐して、犯人だとバレず、捕まらず、尊がこれからの人生を幸せに過ごしてくれたらいいな。俺のことは忘れてくれてもいいんだけど、彼は情に厚いからきっと覚えててくれるんだろう。

 ちょっとだけ、俺のために泣いてくれたら嬉しい。

 薄れていく意識の中、願い事ひとつじゃなかったなぁ、とセルフツッコミを入れつつ、俺はゆっくりと瞼を下ろした。





「篝ッ!!」

 ──最後に、大好きな声が聞こえた気がする。

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