第5話 いつもお母さんと一緒

 ホテルに戻ってきた二人。カードーキーをフロントで受け取り、部屋に向かう。


「か、母さん。ベッドが一つしかないんだけど……」

「えへっ安いからダブルにしちゃった。でもいいでしょう。今日は一緒に寝ましょうよ」

「いや、でもこの年で母親と一緒に寝るなんて……」

「大丈夫よ、変なことしないから」

「変なことってなんなのさ」

「ほにゃらほにゃらら(自主規制)」

「わーやっぱり別の部屋探す!!」

「ごめんごめん、ママはしゃいじゃった。本当に何もしないから、ねっ、一緒に寝ましょう。一生のお願いだから」

「うーん、わかったよ。今から別の部屋探すのも面倒だし。本当に今日だけだよ」

「よかったわ。ママ一人でいるのは寂しいのよね。パパがいなくなってから司ちゃんだけがママの生きがいなんだから」

「きゅ、急に重い話しないでよ。そうだ、さっき撮影した画像さっそくInstagramにあげよう。こっちも順調にフォロワーのびてきているんだよね」

「そうね、こっちはもうすぐ五万人いくかな」

「へえーやっぱり母さんすごいや。いっぱしのインフルエンサーだね」

「そうよ、インフルエンザよ」

「なんだよ、それ。病気じゃないか」

「あはっ言い間違いました」

「もう、母さんはかわいいな」

「えっ何、もう一回いってよ」

「嫌でーす。一回しか言いませんよーだ」

「もう、司ちゃんのケチンボ。私、汗かいたからシャワーあびよう。よかったら司ちゃんも一緒に浴びる?」

「一緒にはいるわけないだろう。さっさと入ってきてよ。またオアシス21に撮影に行くんだろう。で、夜からは手羽先食べに行こう」

「もう、ちっさいときは怖くて一緒に入ってよってないていたのに」

「だから、それは子供のときの話だろう。さっさと入ってきなよ」

「はいはーい」

「もう、はいは一回で」



 楽しい名古屋旅行を終え、二人は大阪に帰ってきた。

「名古屋たのしかったわね、司ちゃん」

「そうだね、また行きたいね。今度はツインにしてよ」

「それはどうかな、ニヤリ」

「じゃあ、行きませんよ」

「もう、司ちゃん。ママは司ちゃんと一緒に寝られてすっごく幸せだったんだから」

「そ、そうなの」

「そうよ。司ちゃんが小さときを思い出してほっぺにチュッてしちゃったわ」

「えっうそだろう」

「さあ、どっちだろうね」

「もう、母さんって」

「司ちゃん、約束してくれるかな?」

「急になんだよ」

「これからもママとずっと一緒にいてくれるかな?」

「そ、それは……」

「えー司ちゃん一緒にいてくれないの。ぐすんぐすん……」

「わかったよわかったよ」

「ちゃんといってくれないと、ママわかりません」

「もう仕方がないな。これからもずっとママと一緒にいるよ。ママと一緒にオタ活するよ」

「わーまたママってよんでくれた。ママうれしいわ司ちゃん。チュッ♡♡」

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お母さんと一緒にオタ活しましょうね。 白鷺雨月 @sirasagiugethu

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