ヒロインのエッッな太ももはなぜ私たちを魅了するのか?

羽川明

「太もも最高!」という一般常識

 世の中にはスリーサイズという言葉がある。

 ざっくり言うと女性の胸、腹、腰をそれぞれ一周した長さの数値のことである。


 お気づきだろうか?


 そう、太ももの太さが含まれていないのである!!!!


 これは由々ゆゆしき事態だ。

 完全に時代遅れ。あまりにも古い、古すぎる。

 古すぎてもはや痛い。思春期なのか?


 今どきスリーサイズなんかより太ももの太さの方が気になっている者の方が多いに決まっている。


 え? 競輪選手が好きなのかって?

 お前は馬鹿か。


 競輪選手は鍛え上げられたたくましい筋肉によって太ももが太くなっているわけで、それはそれで魅力的だと言える。否定はしない。

 が、少なくとも羽川が求めているのは筋肉ではない。


 脂肪だ、脂肪のかたまりだ。


 おつぱいと大胸筋、どっちが相手を魅了するか、また、魅了することができる対象が多いかという話なのだ。


 答えは太ももだ。そうに決まっている。

 おつぱいなど足元にも及ばない。一瞬でもおつぱいだと思ったなら出直してこい。


 とはいえ大胸筋と比べたらおつぱいにも一定の価値はあるように思う。


 客観的に意見を述べるべき評論家を気取る羽川はおつぱいを好む一部の特殊性癖持ちの読者様への配慮も欠かさない。


 が、おつぱいと太もも、どっちの方が健全な魅力を持っているかは論ずるまでもない。


 今なぜかおつぱいの方が魅了的という幻聴が聞こえたので、やっぱり論ずることにする。


「丸出しのおつぱいと丸出しの太もも」


 BANOK

 この事実は社会的に求められているものの「答え合わせ」に他ならない。


 太ももの方がおつぱいより魅力的なのに、丸出しにしても怒られないのだから言うまでもない。


 考えてみると昔から太ももニーソや、ニーソとミニスカートの間の聖域サンクチュアリを絶対領域と呼ぶ伝統があったあたり、太ももは人類が本能的に求めていると言っても過言ではない。


 そのDNAに刻まれた本能がこの現代に先祖返りのような形で蘇ったのだろう。

 そうに違いない。


 というか、DNAの正式名称は「ちゃくそエッッなーちゃんのすべき」なので、その先、つまり言外に「太もも」と続いているであろうことは明白だ。


 なぜか遺伝子学や生物学を研究する学者たちはこれを「デオキシリボ核酸」などと呼んでいるようだが、Dしかあってない時点でだいぶ無理があるこじつけと言える。

 陰謀に違いない。


 ちなみに羽川の姉はそれこそ競輪選手並みの太ももを持っていて、なおかつそれは筋肉ではなく脂肪なわけだが、魅力を感じたことはない。


 このことからもわかるように、太ももはただ太ければ良いわけではないのだ。


 実に奥が深い。


 小説が面白ければ売れるとは限らないのと同じことだ。

 性的魅力が低俗などと罵倒ばとうされる時代は終わった。


 太ももをさらけ出しても全年齢OKなのがその証拠だ。


 が、勘違いしてはいけない。

 羽川のような中年のおじさんが太ももをさらしたところで喜ぶ人間はいないし、なんなら捕まる。


 社会が求めているのはあくまで美男美女の太ももなのだ。

 それを忘れてはいけない。


 それと、実は羽川の作品を家族も認知しているはずなので、どうかカクヨムで公開している今作について私の家族に告げ口するようなことは控えて欲しい。


 羽川にも生活が、明日があるのだ。


 太ももを愛することが多数派であるはずなのに、なぜか羽川の家族や周囲からは賛同が得られていない。


 羽川の友達がいなくなってしまうので、羽川が仲良くしているネット上の皆様に広めることもどうか控えて欲しい。


 嘘だ。ネット上ではどんどん拡散して欲しい。


 しかし頼むから羽川の姉には黙っておいて欲しい。

 羽川の命が危ない。


 太ももを愛する諸君しょくんなら、この約束を守ってくれると信じている。


 え? 結局なぜヒロインのエッッな太ももが魅力的なのか書かれていないじゃないかって?


 そんなもの、一生かかっても書き切れるわけがないだろうが。


 それに太ももの価値は普遍だが、その魅力、魅せ方は秒単位で常に変化していく。


 だからこそ太ももは私たちを魅了し続けるのだ。


 あなたが太ももにマンネリを感じたことがないのはそのためだ。


 太ももは諸行無常しょぎょうむじょうにして、盛者必衰じょうしゃひっすいことわりに反した別次元の領域にある。


 3次元、時間などのあれこれを足しても確か11次元くらいしかない私たち人間では到達することができず、その魅力を軽率に論ずることは万死ばんしに値する。


 ここまで読んだ君たちなら、それがわかるはずだ。



以上

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