第7話 始めに構えあり

もしくは「始めに構えあり」という言葉があるがこれを地で行ったのだとも思う。空手でも柔道でもあるいは書道でもそれを始めるに当たっては姿勢というものがある。みずからを鼓舞するという意味で使われるのだろうが、しかしこれは他人に示す、言葉は悪いが威嚇するという意味でも結構(どころかかなり)効くということだ。実際は単なるハッタリなのかも知れないがその構えによって見る者が萎縮し、相手を過大評価してしまうわけだ。この類のことが俺の身に起きたということである。もっともそんなものは文字通りハッタリですぐに化けの皮をはがされるだろうと人は思うだろうが、事と次第によってはそうでもない。さきほどの「始めに構えあり」で、いったん壮言大語したことをみずからへの指針とするか、あるいは頂いた役どころと心得て、それを演じようとするならばそのまま通ってしまうことだってあるのだ。俺がいい例だ。なにしろ中学校での3年間をそれで通してしまったのだから。とにかくそれが一点で、では他の一点だがこちらの方ははたしてそのまま読者に受け入れてもらえるかどうか甚だ心もとない。と云うのも話がいたってオカルト的になるからである。どういうことか…とにかく書いてみる。いきなりだが皆さんは守護・指導霊ということを、その言葉を知っているだろうか。人間各自の背後にあってその人を守護したり指導したりする霊のことで、その存在を本人が普段から感知することはないし、できないと云われている。しかし自覚せずとも普段にその助けや働きを受けているのだそうである。前に自己紹介の折りに「俺の中の誰かが…」と書いたがこの時の‘誰か’がその守護霊なのではないか…と思う次第なのである。

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