第11話 魔物学

 レイラ先生から合宿についての連絡を受けてからしばらくたったあと、俺はレオンとともに次の授業が行われる研究棟の魔物研究室へと足を運び魔物学の授業を受けていた。


 「えー前回は魔物の等級について話しましたね。では今回は変異体について話しましょうか」


 先生はこちらに背を向けチョークでカリカリと板書していく。


 「変異体とは魔物が本来持つはずの遺伝子が何らかの影響で変化し、姿や保有魔力、特性が変貌したもののことを指します。代表例として挙げられるのがオークです。あれはゴブリンの保有魔力が変異したため生まれた生物です。」


 オークがゴブリンの群れにいるところを何度か見かけたがあれは変異体だったからなのか。知らなかったな。

 やはり学院に来てよかったな。知らないことだらけだ。

 

 そんな感じで先生の話に素直に感心していると……


 「まあ魔物の変異体は1年生の間では滅多に出会うことはないでしょうね。変異体自体どれも4級指定ですから……」


 今回の合宿は魔の樹海の表層しかいかないらしいし変異体はお目にかかれないのか。少し残念だな。


 「そして変異体の中でも抜きんでているのがネームド呼ばれる個体です。現在確認されているネームドは10種で個体ごとに名づけがされています。すべて1級に指定されるほどそれぞれの強さはほかの魔物と群を抜きます。」


 ネームド……

 噂とかおとぎ話レベルでしか聞いたことはなかったが実在するんだな。

 ああでもグレイがネームドについて話していたな。なんだっけ。


 「現在討伐されている個体は全4種ですがどれも莫大な犠牲の果てに達成した偉業です。ああ、でも一つだけ討伐理由が不明の個体がありましたね。今から17年ほど前でしたね。あの時はかなり話題になった覚えがあります。気になる人は調べてみてくださいね。」


 そう言った瞬間教室内にチャイムの音が鳴り響く。


「それでは今日はここまでです。お疲れ様でした」


 授業が終わるとそれまでにあった緊張感が一気にほぐれる。

 レオンから聞いたが魔物学の担当教師は真面目に授業を受けてないと問答無用で成績を下げるらしい。

 それも相まってC組のほとんどはなまけないよう熱心に授業を受けていた。

 

 「なあアレスちょっと付き合ってくれや」


 気が付くと俺のすぐそばにはレオンが立っていた











第二話、第三話のオークの等級を変更しました

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