紅花お鏡(女性ひとり読み)

Danzig

第1話

賭場の雑踏

丁半博打で一人の若い娘が一人負けしている。


お鏡:ちょいとお待ちよ

お鏡:その目のどこが丁(ちょう)なのさ


一瞬静まる場内。

男が出目の説明をする


お鏡:おや、あんた達にはこれが2-6(ニロク)の丁に見えるのかい?


お鏡:可笑しいねぇ


お鏡:でもさ、

お鏡:これを、こうすると・・・


サイコロを動かし出目を変えるお鏡


お鏡:ほら、5-2(グニ)の半(はん)になるだろ?


お鏡:だからさ、今の勝負

お鏡:この娘さんの勝ちってわけさ


緊張が走る賭場、いらだつ男たち


お鏡:がたがた騒ぐんじゃないよ!



娘に掛け金をすお鏡


お鏡:お前さんは、これを持ってお帰り



お鏡にお辞儀をして帰ろうとする娘

娘を止めようとする男


お鏡:騒ぐなって言ってるだろう、三下!(さんした!)


お鏡:賭場(とば)が寄ってたかって一人の娘をカモろうたぁ、どういう了見(りょうけん)だい


お鏡:まぁ、誰が誰をどうしようと、私の知ったこっちゃないが・・・


お鏡:いかさまは気に入らないねぇ


お鏡:壺振(つぼふ)りってのはねぇ、腕で勝負するもんさ

お鏡:変なサイコロ使わなきゃ勝てないなら、博徒(ばくと)なんて辞めちまいな!


苛立ちが高まる賭場

今にも飛びかかろうとする男もいる


お鏡:おっと、

お鏡:ここでドスを抜くのも悪くはないが

お鏡:汚い地で賭場(とば)を汚したくはないからねぇ


お鏡:どうだい、あんた達も博徒(ばくと)の端(はし)くれなら

お鏡:この私とサイコロで勝負してみるかい?


お鏡:さぁ、勝負するのはあんたかい、

お鏡:それともあんたかい


お鏡:どんな勝負だろうが

お鏡:このお鏡(きょう)さんが買ってやるよ!



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紅花お鏡(女性ひとり読み) Danzig @Danzig999

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