第五話 farewell this world 2
「君は持病の心臓病でポックリ死んだ。君があの24時間のスーパーでお菓子を買いに行こうとした時にね。」
「マジかよ、マジかよ、マジかよ。」
「幸い君はまだ即死だったから、それ程の苦痛は受けてないと思うけどね。酷い人なんて数時間にわたって苦しみ、踠き、機械に繋がれてそのままどうしようもなく死ぬからね。そういう点を踏まえたら君は幸運だね。」
ペルセポネは俺に対して不気味な笑みを見せる。舌を少し出しながら少し笑う。それは嘲笑っているのか、そんな風に感じ取れる。それもかなり手慣れたように。この感じ、やはりただものでは無い。コスプレとかでは無い事がわかった。
そして俺はベタなことにそこでは大変驚いた表情と口調で言った。
「えっ、うぇマジで!?つかまず、俺持病あったの?しかも心臓病!?えっ本当に?」
「ホントだよ」
焦る俺とは裏腹にペルセポネは冷静と言うか、他人事というか。とにかく落ち着いていた。
「いや、いや、なんかのYouTuberとかのたちの悪いドッキリとかじゃ無いの?」
「いやいや、全然違うよ。君の家計は歴代にわたり心臓病を発症しやすんいんだ。そういう遺伝的なものでね。あと、私は残念ながらYouTuberでは無い。神なのでね。」
「えっ、えええ。」
「さらに貴方は残念なことに心臓病が凄く好き好むような100天満点の生活ばかりしているから、その病気の進行がかなり早まったって訳だね。」
「うそぉーん。」
「ん?あれ。その感じまだ、自分の死を受け入れられてないわねぇー。それじゃあ死を実感してもらうために貴方の死に様特別に見せてあげる⭐︎」
そこにはスクリーンのように映し出されている。
そこには俺の無様な死にいく様子が大きく映し出されていた。死の瞬間。それを見たいと思う者はいるのだろうか。それがさらに自分自身のモノだと尚更であろう。
「嫌だーっ。ただでさえ無様に死んだのに見るなんて嫌だ~。ァァァァァァ。」
「いやいや、どうした。落ち着け。」
「ふう、」
俺はそれを必要以上に酷く拒んだ。
俺は自分の死んだところなど見たくなかったのだ。
俺自身も日頃の行いからろくでもないことはこの、本人も察していたのだ。
そんな愚かな事があってたまるか。
するとペルセポネは目の集点を合わせもう訳無さそうに言った。
「そうか...それはそれは少し悪いことをしたな。いやぁ、そんなに君が嫌がるとおもわなくてね.....まあ、私のちょっとした悪巧みだったということで。」
彼女は冥界の関係者とは思えないくらい、申し訳ない顔をしていた。
多分このペルセポネは素でそう思っている。
あれだ、人の心が全く読めてないタイプのひとだ。
「そりゃあ、誰でもそんなものは、所構わず嫌がるだろ。逆に自分の無残な死に様みたいやつの方が珍しいだろ。」
「まあ、中には好奇心でみたがる様な人も多数存在するしね。自分の最期をこの目で確かめておきたい‼︎って人も結構いるんだよ。特に君の様などうして死んだのかが、分かってない人とかはね。」
「うーん.....それでさ?結局君はいったいなにを俺に伝えたいんだ?さっきから色々とあったが、少し人さ、間の俺にはまったくもって、イマイチ俺にはよくわからないのだが。だから、もっと簡潔に話してくれないか?」
俺が話をイマイチ理解できない旨をペルセポネに伝えるとペルセポネは少し納得した感じでもう一度語り始めた。
「ん、ああ、突然何を言い出すかと思ったら.....その件ね。ふっ、まあ、良いわ。頭の悪い貴方にも理解できるように、私が今から伝えたいことを簡単に、あなたに話していくわ。そこんとこよろしくね。」
馬鹿呼ばわりされた事に若干腹が立ったが、一度その感情は置いておこう。
それはもう兎にも角にもだ。まあ、つまりは何事においても相手との意思疎通と言うものはかなり思ったよりも難しいものであるという事だ。それが、たとえ対象が【人間】でも、【魔物】でも、【神サマ】でも種族や性別が違えどそれらみんな、全部、全員一緒なことだ。
変わらない。
変われない。
そんなもんだ。だが、それでいい。伝わらなくても良いことも世の中にはある。
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