第27話

 翌朝、目を覚ました僕は自室からリビングに降りた。

 「おはようございます。」

 「おはよう。ソフィア。」

 降りた先でソフィアが出迎えてくれた。

改めて思うけど、エプロン着けた彼女の人妻感強いな……。

僕は果たして釣り合っているのか時々不安になって――。

 っていかんいかん。

こんなのじゃまた―。

 「ユイさん。お風呂入りましょ。」

 「は、はい!?。」

 「昨日、入ってないでしょ。」

 「はい……。」

 いつにも増して押してくる。

こんな積極的だったけ……。

 「う、うん。わかったから……。その、手を……。」

 「じゃあ早速行きましょうか。」

 と、誘われて。


 「で、なんで一緒にお風呂入っているの……。」

 「私が一緒に入りたいからです!。」

 「最近素直だね。」

 お風呂に入ろうとしたら、一緒に入ってきて、服を脱がしてきて、そして今である。

 「ひとつ思ったのですが。」

 「なんですか……。」

 「ユイさんって胸大きいですよね。」

 「お前もか……。」

 「えぇ。お風呂で浮くのは流石に。」

 「っ!?。」

うむ。浮いてはいるな……。

だからって湯船に僕を抱いて入るんじゃぁない。

最近ソフィアの目線が獲物を捉えたような鋭いもの。特にあの花火大会以降の……。

なんかリミッター外れたような感じ。

 「あのユイさん。」

 「なに?。」

 「来週に私の実家に一緒に帰ってもらってもいいでしょうか?。」

 「いいけど、どうして?。」

 「その、お母様とお姉様が会いたがってるので。」

 ソフィアのお母さん。

《暁=アリス=ヴァイオレット》はお母さん=レイさんの先輩で、お姉ちゃんとしたってたって、前に帰省した時にお母さんの部屋で見た日記に書いてあったな……。

一言で言えば残念美少女……。

その方が会いたいとなると……。

 「良かったです〜。」

 「は、はぁ……。」

 「いや、あなたを連れて帰らないと「私がお土産を持ってそっちに行くわ。」って言ってたから……。」

 「えぇ……。」

 さらに詳しくいうと、お母さんに出来なかった事を僕にやらせるらしい……。

お母さん世代の行動力ぅ……。

 これは骨が折れそうだ……。

大丈夫よね。

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