ユイ高校生編 JK1

前期

第14話

 新しい1年の朝がきた。

 「ふあぁ~。」

 ソフィアに起こされた僕は身体を伸ばして目覚める。

下に降りて洗面台に。

顔を洗って、リビングの机に。

 朝食はサンドイッチだ。

シンプルイズベスト。

ソフィアの作ったご飯は美味しい。


 高校の制服は白のブラウス。白に青いラインの入ったインバーデットミニスカート。相変わらず丈が短い。青いラインの入った白いブレザー。これはこれで良い。

 「よく似合ってますよ。」

 「そう?。」

 「えぇ。」

 玄関で調整をしていると身支度を終えたソフィアが相変わらず僕を肯定してくる。少し嬉しい。

 「リボンがちょっと曲がってますよ。」

 「あ…ありがとう。」

 タイが曲がっていてよ系イベントきました。

まあ調整している本人はだいぶ盛り上がってるっぽいけど。


 「おはよう。ユイちゃん。」

 「おはよう。あおい。」

 「おめでとうございます。」

 「おめでとうございます…。」

 路面電車の駅であおいと合流。

早速ソフィアとバトってる。

まあ。あおいが相変わらず腕を抱いてくる。

からのドヤ顔マウント。

……。

顔は笑顔だけどオーラが怒ってますねこれは。

これがあと何年?。

まあつまらないよりかはマシかな。


 そんなこんなで高校についた。

相変わらずあおいは僕に引っ付いてる。

ソフィアは名残惜しそうに入学式の在校生代表としてこの場を去った。

頑張ってね。

 「おはようございます。」

 聞き覚えのある声。

毛先を白いシュシュでまとめた長い黒髪に赤い瞳。

あぁ。入学試験の時に保健室に来てた子か。

 「はじめまして。私は初霜アカネといいます。よろしくお願いします。」

 深々と慣れた感じで頭を下げる。

白い制服と宙を舞う桜の花びらがゲームのスチルのようで美しい。

 「アカネ……。」

 「あおい……。」

 まあ。そうなってしまうよね。

2人は同じ元アイドル。方や卒業して一般人に。方や女優として今も芸能界に。

過去にあれこれあったから再会したらどうなるか心配。せめて穏便に……。

 「あおいさん……。あなた……。」

 これは…。

 「いつまでその人の腕に抱きついているのですか……?。」

 ん?……。

 「アカネこそなんでユイに話しかけるのかな?。」

 おっ……?。

 「ユイさんというのですか。素敵な名前ですね。あぁ。ますます好きになりそう。」

 えっとこれは……?。

 「あおいさん。ユイさんは私の天使様なのです。ですからその席を私に譲りなさい。」

 アカネがもう片方の腕に抱きつく。

あっ。小さいけど程よい感触がある。

いやそうではなくなんでそうなる。

 「ユイは私のマリアですもの。そう簡単に離すわけないでしょ。」

 「そうですか。」

 もうなんだこれ。

元アイドルユニットが僕を求めて、僕を挟んでくる。ラノベか。

僕は2人をなだめつつクラス表を見る。

……。

2人と一緒だ。

まあ楽しそうな1年になりそうで何より。



――――――



 新しい1年の朝がきた。

 朝、目覚めた私は早速家を軽く掃除する。

まだ日も登らぬ朝。

私はこの時間が好きだ。

洗濯を済ませてユイの元へ。

かわいい寝顔。

ユイの頬にキスをしてから起こす。

これが日課だ。

 「ユイ。朝ですよ。起きてください。」

 「んっ……。ふあぁ……。おはよう。」

 身体を軽く伸ばして無理やり目を覚ませようとしている。かわいい。

 「下でご飯作って待ってますからね。」

 「ふあぁ……い。」

 寝ぼけた返事が愛おしくてかわいい。

私は降りて朝食を作る

朝食はいつも私の手作りのサンドイッチだ。

寝ぼけていても食べれるように。

それに寝ぼけながら食べる様がまたかわいい。

 ユイが降りてきて洗面台に行き、戻ってきて朝食を食べる。

まだ上の空だ。

まあそれも良い。


 身支度を済ませて玄関に行くと。

天使がいる。

うちの制服がよく似合ってて、あぁ好き。

ユイが似合ってるかどうかでいろいろと動き回る。

ダメ。やめて。その動きは私に効く。

つい胸のリボンが曲がっていたから直したけど、これあれよね。よくあるあのやつよね。

私がそれに気づいたのは路面電車の駅に向かってる時だった。


 学校について私は在校生代表として挨拶があるので早めに体育館に行くことになった。

それにしてもあおいって子。

ユイの友達だから見逃しているものを。

道中ずっとマウントしてくるのなんだ。

しかも露骨に煽ってくる。

あぁ。もう疲れる。


 入学式も終わり。

私はユイを迎えに教室に向かった。

……。

なんか増えてる。

なにあの黒髪の子……。

どこか見覚えが……。

はっ!。

ユイに膝枕してもらった子。

……。

思い出してついでに恥ずかしくなった。

 そんなことよりもユイを。

 「ユイ。帰りますよ。」

 「はい。」

 ユイはこっちにやってくるが、なんか2人ほど余計なのが来ている。

 「私も一緒に帰ります。」

 「ソフィアさん。はじめましてアカネといいます。よろしくお願いします。今日はせっかくユイさんと仲良くなれたので一緒にさせて貰ってもいいでしょうか。」

 あおいはいつもの事ながら、アカネって子。

この子慣れてるね。

言葉を上手く使う。

こんなこと言われて断れるわけなかろうに。

 「わかりました。ですが途中までですよ。」

 「はい。ありがとうございます。」

 あっさり下がってくれるの怖い。

まあそんなこんなで私の長い1日は終わった。



――――――



 新しい1年の朝がきた。

 今日は新しい3年間の入学式。

白い制服のユイちゃんがかわいいのだろうな。

私は着替えて路面電車の来る駅についた。

……。

あぁ良い。良い。

なにこれ尊い。

ユイちゃんは今日もかわいい。

なのに何故あの女がいる。

いつもユイの隣にいるムカつく。

だから私はユイの腕に抱きついた。

これでどうだ。

そうそういい感じ。

その反応いいよ。

ユイちゃんは私のだからそこのところお願いね。先輩。


 学校について私は会ってしまった。

二度と会うと思ってなかったのに。

けれど、再会は思ったのとはちょっと違った。

どうやら彼女もユイが好きみたい。

そりゃこんないい子だもの。好きにならない方がおかしい。

と思ってのに。

アカネよ。何故ユイの腕に抱きつく。

そこは私の席だぞ。

過去のいざこざとかどうでもいい。

アカネ。

君がユイのを欲してライバルになるなら受けてたとう。

私のユイは渡さないぞ。



――――――




 新しい1年の朝がきた。

 私は目を覚まして、着替える。

そして片道1時間の電車に乗って、桜が満開の並木道を歩いて学校に着く。

 いた。

いたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

保健室にいた天使様。

また会えた。

嬉しかった。

……。

なんか隣にいる。

……。

あぁ。あおいか。

天使様の腕に抱きついている。

ほう。

私は過去のいざこざとかすっ飛ばしてあおいと口論になった。

その過程で天使様はユイという名前であるという情報を手に入れた。

ユイ様。

あぁ。

あなたの温もりはまだ覚えています。

ですので、あおいよ。

あなたがライバルになるのなら私は容赦はしません。

今度こそあなたに勝って私はユイ。天使様と一緒に生涯を共に生きますから。

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