第34話 宴会


 七十層を降りていくとこれまでと雰囲気が違っていた。薄暗い中を進んでいくと先の方で戦う音が。

「狭間さん!」

「レクトはん!こいつら連れてってくれへんか?」

 そこには柳や他のメンバーも倒れている。

「ヒナ達は回復をしながらみんなを連れて退避!」

「「「はい」」」

「加勢します!」

 精密鑑定でダークスコーピオンと分かった。

「ダークスコーピオン収集、粉砕」

 粉砕されていくダークスコーピオンにホッと一息つくと狭間さんはその場に倒れた。

「ドロップ品収集っと、狭間さん大丈夫ですか?」

「あぁ、力がぬけてもうた」

「ポーションです。飲んで下さい」

「ありがとう」

 ポーションを飲ませて何があったかを聞くとここでダークスコーピオンに背後から奇襲され、柳達と戦っていると前からもモンスターが現れたらしい。

 挟みうちかよ、モンスターが?

「それより外に出ましょう。先に行ったヒナ達も気になりますし」

「そやな!いこか!」

 俺たちは走って元来た道を戻る。

 収集で集めたから大丈夫だと思うけどな。

「みんな外に出たようですね」

「そやな、良かったありがとう」


 外に出ると皆んながいてホッとするが、ダークスコーピオンの毒でまだ苦しんでいる。

 エリアポーションを使ってみるとなんとか解毒も出来たみたいで、全員がゆっくりとした呼吸になった。


「レクトさん、ウチらはここまでみたいやな。あとは任せて良いやろか?」

「はい、俺たちも行けるとこまで行ってみたいので」

「そんだけの強さがあればここも時期攻略済みになってまうなぁ」

「そんなことはないです。とは言えませんね、俺らも攻略しに来てるんで」

「そやろ?だから無理してでも先に行きたかったんやけどウチらにはまだ早かったみたいや」

 そう言う狭間さんはどこかスッキリした顔をしていた。

 柳達も目が覚めたらしく、生きて帰って来れた事に感謝していた。


「今夜は飲むでぇ!」

「おぉーー」

 何故か俺たちも飲み会に誘われて大型バスの中に入れてもらう。

 大型バスは改造されてて快適な居住空間になっていた。

「これ良いなぁ。こんなに豪華なんだ」

 動く家だ。なんかワクワクする感じがたまらないな。

「金あるんやさかいホープクランも一台くらいもっとったらええねん」

 それはまた別の話。

 ビールにツマミ、ピザやパエリアなど大量に料理がでてくる。

「レクトさんたちには助けられて本当に感謝してます」

「いいよ、柳もお疲れ様」

 二人で乾杯しているところに狭間がすり寄ってくる。

「うちとも仲良くしてや!」

「マスターはマスター同士で仲良くしてください」

「そんなぁ、いけずぅ」

 胸をグリグリする指が痛いんですが?


 深夜まで飲んで騒いで仲良くなったと思う。

 次の日の朝には梅田クランのバスは帰って行った。


「流石に二日酔いだからちょっと今日は休みにしようか」

「賛成です」

「眠い」

「夜遅かったですもんね」

 アズサ以外は二日酔い気味なので倒れるように寝ている。


 流石に今日はダンジョンに行く気がしなかった。

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