第29話 ただの一日


 ヒナ達との約束を守り五十層から一緒に攻略を進めてようやく攻略が終わった。

「くぅー、今回はきつかった」

「だねぇ、私達だけで攻略できて本当よかったよ」

「疲れました師匠」

「お疲れ様、なんか食うか?」

「お!奢りですね!」

「何がいいかなぁー!」

「寿司、焼肉、ステーキ」

 本当に強くなったなぁ。

 しみじみと思う。俺が言ってもしょうがないが頑張ってると思う。

 

「好きなもんでいいぞ」

「やったぁ」

 と言ったもののみんな食べたいものが別々なのでホテルのビュッフェへ。

「いやぁー!来たかったんだ!」

「あー、あれも美味しそう」

「あ、あれ食べよ」

「へぇ、こんな感じなのか」

 と、とりあえず好きなものを取って席へ。

 お前たち食えるのか?と言う量を持ってくる三人は、は?食べますけど何か?と言わんばかりの顔をしている。


 流石にデザートはと思ったがしっかり食べてたよ。


「食ったな」

「もう食べれません」

「くるちぃ」

「はふぅ」

 最後のアズサに関しては言葉にすらなってない。

 あとは車で送るだけだしいいけど。


 事務所に着くと三人ともダウンしているし、

「僕も行きたかったなぁ」

 とマスターが拗ねる。

 いや、いい年した大人が何言ってんだか。


 三人を置いて自分の部屋に行くと、とりあえずテレビをつける。

 テレビには梅田クランが出ていた。

 相変わらずの喋り方だし、綺麗な人っちゃ綺麗な人だからテレビ映えする。


『仲のいいクランはホープクランですね』


 何処がだよ?柳はいいとしてお前は誰だよ!俺らの名前を出すな。

 最近も沢山のお菓子の差し入れがあったりしたらしいが、マスターも甘いし、許してあげてるんだろうな。


 テレビを消して錬金でエリアポーションを作って行く。地味な作業だがやっていて楽しい。エリアポーションのつぎは上級ポーション、あとは鞄を買って来たのでマジックバックをいくつか作っておく。


 これはアイテムボックスの代わりにオークションにでも出してもらうためだ。


 あとは錬金と合成で新しい防具を作ってみる。なかなかいい出来の防具が作れたのでケントとダイスケにでもやろう。


 ほんとこの地味な作業がとても楽しい。


 と思ってると、女子三人が復活したのか雪崩れ込んでくる。姦しいとはこの事だな。

 できたばかりのマジックバックを欲しがったり。これはなんだと聞いてくる。

 テレビをつけて梅田クランが出ていれば、私達もでたいと駄々をこねるが俺たちが出て何を話すつもりだよ。


 そんなこんなで夜になると休みだと松崎さんが来て太郎までくる。酒盛りをし始めてマスターも一緒になって収集がつかない。

 俺の収集でアルコールだけ抜いてやろうか?


 でもこんな一日もいいかもしれない。

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