クラン始動

第12話 引っ越し


 ミアはゴールドスライムを探してライトニングでスライムを倒している。

「ねぇ?これ必要?」

「だって私が最初ゴールドスライム倒した時もこれだったもん!」

「まぁ、がんばれ」

 ブルースライムの山の中にゴールドスライムを探すのは大変だ。

「い、いた!」

「早く倒して!」

「ウインドカッター」

「やった!やっとだわ」

 ゴールドスライムを倒して安堵しているが、

「まだいるぞ?」

「うそ!」

 逃げられてしまった。

 カードを拾うと火魔法だった。

「もう一度!」

「スライム収集」

「ライトニング!」



「はぁ、やっと三匹倒して火魔法三枚なんて」

「合成してやるよ」

「あ、お願いします」

「合成、火焔魔法になったぞ」

「やった!あとの火魔法はクランの子にあげよっと」

 ピンク髪のミアはなんだかんだで面倒見がいい。

「んじゃ中級ダンジョンに行こうか?」

「「はい」」

「どっちいくの?」

「あー、暁のほうといつものとこ?」

「私も暁のとこ行ってみたい!」

「あそこいま人多いぞ?」

 暁が解散してから、あのダンジョンは開放されて、いま大混雑している。

「じゃーいつものとこでいいや」

 青い髪のヒナはテキトーだ。

「いま適当なやつって思ったでしょ?」

「思っ…た」

「なんでそんなこと思うかなー?私なりに考えてるんだけどな」

 真面目なところもある。


「んじゃ一層はいつも通り呼ぶから片付けてね」

「「はい」」

「ゴールドスライム収集」

「はあ!」

「ウインドカッター」

 俺が一匹倒して今日は三体か、カードは鑑定二枚とアイテムボックス 。

 カードは俺が預かる。

 そして金になる三十層から始めて五十層をクリアして終わるのが最近の仕事だ。

「一人で百万づつで残りをクランって、最近クランが改装し始めたのって!」

「俺たちが稼いだ金だけど、クランに入ってるからな」

「レクトも早くこっちに移って来なよ」

「俺はアパートに恩義があるからなぁ」

「おばちゃん心配してたよ?」

「マジで?じゃあ、移るしかないか」

「「やた」」


 大家のおばちゃんによくしてもらっていたので、お礼を言いにいくと泣いて喜んでくれた。本当に良い人だ。

 松崎さんにも連絡を入れて、クランに移る事を言ってある。


 クランメンバーは俺、ヒナ、ミア、ケント、ダイスケだけ。後はクランマスターの斎藤さん。

 ビルを一軒丸々改装してるから結構かかったんじゃないかな?まぁ、それなりに稼いでるからな。


 引っ越しはアイテムボックスですぐ済む。

 というかものがほとんどないからな。


「「「引っ越しおめでとう!」」」

「あ、ありがとうございます」

「レクト君の部屋は四階の角部屋だからね」

「あ、はい!」

 中に入ると、

「広っ!」

「二部屋繋げちゃったからねー、稼ぎ頭だし頑張ってるからさ」

「ありがとうございます」

 でも家具なんかないぞ?

「レクト、家具買いに行こうよ!」

「そうそう!ちゃんと測っといたからさ」

「えぇー!ま、まぁいいか」

「いってらっしゃい!」

「ぃ、いってきます」



「いやぁ、買ったねぇ」

「あんなでかいベット入らなくねぇか?」

「大丈夫!ちゃんと測っといたから」

 なんでヒナが測ってるんだよ。

「俺は布団があれば良いだけなんだがな」

「それじゃダメでしょ?」

「私達が遊びに行くんだから!」

 ヒナとミアが?なかなかカオスだな。


 一週間後、家具が入るとまた別の部屋に感じるな。

「いいじゃん!」

「モデルルームみたいじゃん」

「な、俺の部屋に思えないんだけどな」


 こんな部屋に俺は住むのか。


「まぁ、いいじゃん!で?これからどこに行く?」

「そろそろ上級に行ってみようか?」

「上級?大丈夫かな?」

「私達も強くなったけどさ」

「大丈夫、何かあったら俺が出るから!」

「んー、んじゃ行ってみるか!」

「そうだね!」


「ここの近くの上級っていえば、屍ダンジョンじゃないのさ!」

「うえー、私苦手!」

「大丈夫だって」

 歩いて向かう屍ダンジョンはスケルトンやグールが多い百層ダンジョン。

 まぁ、あまり無理する事ないからダメならダメで他のを探すか。

 屍ダンジョン入り口は鳥居にある。

「さぁはいろうか!」

「「はい!」」

「一層はスライムなんだな」

「早く早く!」

「ゴールドスライム収集」

 五匹のゴールドスライムが現れた。

 俺が二匹、ミアが二匹、ヒナが一匹。

「くそ!ポジショニング間違えた!」

「あははは、カードは」

 回復魔法三枚に聖魔法一枚、火魔法一枚。

 ここは回復魔法を一枚づつと聖魔法はミアに火魔法は死蔵だ。


 さて、二層目からもうスケルトンだ。

「スケルトンの核収集」

 バリンバリンと壊していく。

「ドロップ品収集」相変わらず剣が多い中で巻物が手に入った?読んでみると秘伝書らしくすぐに燃えてなくなった。

 自分を鑑定してみるとグランドクロスというスキルが剣術に入っていた。

 おぉ、こんなこともあるのか!

「何!どうしたの?」

「技スキルらしきものが手に入った」

「マジで!短剣術の技スキルとかないかな?」

「あるかもしれないな!」


「ふぅー!やっぱりレクトと一緒だと楽しいね」

「そうか?そろそろ疲れて来たんじゃないか?」

「それもある。だってレクト疲れないんだもん」

「言ってくれよ、休憩取るからさ」

「うん」

 休憩中はゆっくりして、動くときは動く。

 メリハリが大事だと松崎さんが言っていた。

 もう十五層にきている。なんだかんだで二人とも慣れたようだ。

「ゾンビの頭収集」

「嫌ァァァァァァだ」

「怖いいいい」

 ここは俺の出番らしい。

「ひぃ。ひぃ。」

「もう消えただろ?」

「「ゾンビはダメ」」

「はい」


 二十層。ハイスケルトンナイト。

「ハイスケルトンナイトの核収集」

 はい。終わり。

 ドロップはまた巻物か、鑑定すると刺突というものだったので読んでみる。やはり剣術に統合された。 

 二人は宝箱に向かっている。

「きゃー!おっきなダイヤ!」

「すっごい高いよ」

「それはいいね!」

 二十層で帰ることにした。

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