夜の帳に君と朝へと消えたい

瑞野 明青

夜の帳に君と朝へと消えたい

 良き娘親の前では出来てても振り払いたい真面目な自分

 夜を待つ日常置いて早足で行き着く先にあなたは居ない

 君のいるこの部屋ノック飛びこむよ女演じて微笑んでみる

 夢を見て今だけでもと立つところ待ち合わせなら夜の麓で

 恋ならば胸に秘めつつからかうとあなたの笑顔心ふるえる


 くちびるに指あててまた口の中君を感じる始まりの時

 君の手をやわらかき所導いてよろこぶのはその一瞬

 目を見てもすぐつぶるのに君の笑みどこか冷たい何故だかわかる

 褥へと誘われたけど嫌という困らせてみて気持ちを知るの

 男なら大きな主語で語るけどあなたの言葉を私は欲しい

 あまりにも女であると言われると自分でなくて他でもいいかと

 

 アイシテル言葉が漂いあなたにはきっと届かぬ色付く雲へ

 とまどいを演じてみても浅すぎて子供扱いやめてと言えず

 女なら色づく肌に頬寄せて次の何かに胸が膨らむ

 かわいいともう言われるの嫌だから身につけようか誘惑の物

 はさむ手であなたの頬を覚えたい一人の夜に思い出すため

 その手でね覚えて欲しいふくらみに当てて感じる熱のあつさを

 向き合って何を思うの背中からその手が抜けて胸に手が来る


 朝焼けにここを出ていくその前にあなたの頬にくちづけをした

 飛び出した朝の空気に触れたとて昨夜のだるさ埋もれ火のよう

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夜の帳に君と朝へと消えたい 瑞野 明青 @toyotooo

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