君を知らないでいた
森みたび
1001人目の私の話
水底へ撒ける骨がない あのひとのアカウントはもう存在しません
厚揚げの写真が最後なわけなくて わけがないから保存してない
#いいねだけ好きな映画を挙げる って言って、ミストで中断するな
踏切の先で焼き付くハイビーム 画面が見えない 明度を上げる
その辺に君の不在は散らばって、ほらEnd to End! みたいな
猛烈な吹雪の中で絡んでた指先も0と1だったこと
広大な海に散逸する記憶 データから桃の匂いがすれば
私よりずっと賢い君だけどさわりだけでもとは言っていた
followerの名前がついた1000人を1001人にしてみたあの日
おすすめの本を買っては積んでいて、枕にするには今更すぎる
Chromeも覚えていないパスワード 出なければ二度と入らないから
125000000の実名を置き去りにして港へ向かう
毒杯も煽るよそれが理由なら 車窓に臨む海の輪郭
間違った意味の蛙化が邪魔をしてオンリーワンになれなかったよ
風の中 機動戦士は見たらしい 私が終ぞ出会えないひと
生活は7階層と別にあり、君の不在もいつか忘れる?
寝る前のブルーライトは避けましょう 瞼の裏の猫のアイコン
ログアウトボタンじゃ堰き止めきれなくて 厚揚げが美味しかったらいいな
君もまた同じ炎上を見ているか それでもネットは回り続けて
不可逆の30日後 君の名をパスワードにして蘇らせる
君を知らないでいた 森みたび @sandome_xxx
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