SS・『七夕』

夢美瑠瑠

SS・『七夕』




 七夕の日には、織姫と彦星の逢瀬があって、織姫はこと座のヴェガ、織女星。彦星はわし座のアルタイル、牽牛星、だったと思う。梅雨時なので、よく雨が降るような時節で、雨降りになると逢瀬が流れる。「一年に一度の逢瀬」なのに「雨が降るとおじゃんになる」というのはつまり川を挟んだデートなので、水流が増すと渡渉しにくくなる、そういう機序かと思う。


 小学生のころには、近くの山に笹を取りに行って、思い思いに短冊や色紙細工を作って、たくさん願い事を書いたりして、笹をデコレーションして、川に皆で流しに行っていたりしました。


 四季折々に、その時節にマッチした祝賀行事や催し、風俗があるのは生活に潤いや娯しみを齎すし、素晴らしいことだと思います。   

 で、いろんな思い出ができて、友人や家族とのきずなが深まったりもして、だからこうした行事風俗は人間の生活を彩る、欠くことのできないものだと思います。一切の行事がないような、クリスマスも節分もバレンタインも花祭りもお盆もハロウィンも、そういうイベントが一切無ければ、味気ない日常がのんべんだらりと繰り返すだけで、それは「生活」というよりもはや「殺生」な拷問でしかない。


 今の僕の生活はそういう「殺生な拷問」で、地獄です。七夕というのは…例えば「配所の月」のようなものです。この言葉は知っている人は少ないだろうか…興味があったら調べてみてください😊

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