第22話 女神様と人形の涙

 「何で食べてないの?」


 蓮をアイは睨む。


「おそらく今までの環境のせいで食べれなくなっているかもしれないね」


 蓮は渋い表情で答える。


「環境のせい?」


 アイは怒り口調で蓮を見る。


「そうだね」


 渋い表情で答える。


「今は違う環境なのに?」


 怒った表情でアイは蓮を見る。


「アイちゃん、環境が変わっても1日では無理だと思うよ」


 疲れた表情で蓮は答える。


「どうしてよ?」


 アイは蓮を見る。


「それだけ食べる環境が悪かったんだよね」


 蓮は怖い表情になる。


「……影森君はどうしてるの?」


 悲しげな表情をアイは見せる。


「とりあえず来てみな」


 蓮についていくと影森は角のはしっこに体育座りになっていた。


「おーい影森君、寿司食べないか?」


 蓮は影森に声を掛ける。


「………」


 影森は首を横に振る。


「ってな感じで何回か自分と雪花ちゃんで声かけたんだけどダメだったんだよね」


 渋い表情をする。


「影森君をこのままほっておくの?」


 アイは怒った表情で蓮を見る。


「……まあ、現状は刺激を与えないほうがいいと思うね」


 蓮は影森君を見る。


「どうしてよ?」


 アイは蓮を見る。


「感情失っていた状態で環境変わったんだからね。静かに様子見るのが」


 蓮の話をしようとするとアイが影森の近くに行く。


「……」


影森の目をアイは無言で見る。


「………」


影森はアイを認知し始める。


「行くよ!!」

「………」


影森の手を強引に掴み立ち上がらせる。


「あ、」


 影森は声を出しソファーに座らせられ、アイは台所に行く。


「座って待ってなさい」


 怒った口調で影森にアイは言う。


「………」


 影森は素直に座って待つとアイか皿に寿司を持ってきた。


「食べなさい!!」


 怒った表情で皿を出し影森に言う。


「おいおい、アイちゃん、止めなよ」


 蓮が間に入ろうとする。


「蓮、邪魔しないで」


 殺意を向けて蓮の目を見る。


「影森君は今は病人だぞ」


 蓮は怒った表情になりアイを見る。


「病人なわけないでしょ」


 アイは蓮をにらむ。


「さあて、アイちゃん、子供でも言ってはいけないことはあるもんだよ」


 蓮も笑顔でアイの目を覗き込む。


「影森君は私たちと同じ対等だからこそ、病人ではないでしょ!!」


 蓮に近づき大きい声を出す。


「……勝手にすればいいさ」


 蓮は奥の部屋に行く。


「ふん」


 アイは影森に近づき箸で一口サイズにした寿司を取った。


「口をあけなさい?」


 殺気をだし影森に話をする。


「………」


 影森はアイの行動を処理せず、反応もせず、ただ映像のように眺めていた。


「ふざけるんじゃないよ」

「………??」


 影森の顎を掴み口を半びらきにして口に寿司をむりくり食べさせた。


「はい、ちゃんと噛んで食べなさい」

「………」


 ゆっくりと喉つまらせないように影森は食べようと処理する。


「よしよし、食べたな」


 アイは満足そうに影森を見ていると光の灯ってない目から涙が出ていた。


 

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 どうも作者です。


 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534


 



 

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