第12話 厄災、絶望、破滅への準備② アイside中学生

 アイside(中学生)


 「……全部壊す?」


 霊歌の惚けた笑みを見て無意識に後ろにアイは下がる。


「そうそう、全部壊して喰らうのよ」


 悪い笑みを霊歌は浮かべる。


「……霊歌ちゃん、具体的にどうするの?」


 恐る恐る霊歌の表情を見て話をする。


「アイちゃん耳貸して」


「……」


 霊歌の近くまで行く。


「………………」


 小声でアイに伝える。


「……」


 聞き終えた瞬間アイは無意識に後ろにひいてしまう。


「あらあら、どうしたのアイちゃん?」


笑顔でアイの目を覗き込む。


「……霊歌ちゃん、本気でやるの?」


 顔色を悪くして霊歌の目を見る。


「アイちゃん、次第だよ」


 霊歌は無表情になりアイの目を覗き込む。


「……わたし次第?どういうこと?霊歌ちゃん」


 言葉の意味を理解出来ない様子にアイはなる。


「アイちゃんは影森君の感情を取り戻した後に感情を失わせて喰らいたいんだよね?」


 霊歌は冷たい笑みを浮かべ、アイの目を覗き込む。


「……うん、喰らいたい」


 複雑な表情で答える。


「それじゃあ、改めて聞くけど」


 霊歌は暗い笑みを浮かべアイの目を見る。


「……」


 アイは怖い表情をして霊歌の目を合わせる。


「わたくしが干渉することで、影森君を不幸にした人を容赦なく全員を壊すけど覚悟はあるかな?アイちゃん」


 霊歌はアイの目を深くまで覗き込み質問する。


「……なんでそんなことを聞くの?」


 アイは霊歌の目を無意識に反らす。


「簡単な話、アイちゃんの選択肢で影森君一人を不幸にするか、100人を不幸にするかということよ」


 霊歌は笑みを浮かべ、アイの目の前に近づき両肩を掴み逃げられないようにする。


「!!」


 アイは霊歌の恐怖の余り逃げたい衝動に駆られるが両肩を掴まれて逃げられない。


「あらあら、アイちゃん逃げたらだめだよ」


 霊歌は目を見開きアイの目を覗き込んで行く。


「霊歌ちゃん、や、やめて」


 霊歌の目を反らせず目をつぶろうとするが身体が言うこと聞かず無意識に拒否している。


「やめないよ」


 霊歌はアイの目をしばらく見つめる。


「……」


 アイは霊歌の目に吸い込まれるように奥底にあるものを覗き込ませられる。 


「アイちゃん、壊れないでね」


 霊歌もアイの目の奥底を覗き込む


「いや、やめて、霊歌ちゃん」


 アイの顔色が悪くなり始めて、霊歌から逃げようと必死になる。


「逃げたらだめだよ。アイちゃん」


 冷たい笑顔で霊歌はアイの耳元でささやく。


「助けて、助けて、助けて」


アイはガクガクと震えて痙攣けいれんし始め、叫び続ける


「アイちゃん、がんばらないと」


 アイの耳元で霊歌はささやく。


「……」

 

 アイは目の色を失いそうになり意識を手放す直前で霊歌は離れて解放される。


「どうだった。アイちゃん濃厚な不幸の味はおいしかったかしら?」


 膝をついて意識が朦朧もうろうとするアイに霊歌は声を掛ける。


「……霊歌ちゃん、何をしたいの?」


 呼吸を整えて必死に話そうとする。


「何って、アイちゃんに体験して見せたことを全員にして行くんだよ」


 霊歌は冷たい笑みを浮かべ答える。


「……」


 見せられたものは全く覚えてないが無意識にこれからやることに恐怖を覚える。


「アイちゃん、今すぐ決めてね」


 霊歌は近づきアイの頭を撫でる。


「……私は」


 アイは静かな声で口にする。


「それじゃあ、準備するからね」


「……」


 アイは頷く。


「後には、引けないからね覚悟は決めなさい」


 霊歌はアイから離れて部屋から出ていく。


「影森君、準備するまで時間かかるけど待っていてね」


 アイは惚けた笑みを浮かべる。





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 どうも作者です。


 7月19日の時点で週間ラブコメ211位です。


 もし良かったら星、フォロー、応援して頂いたらモチベーション上がりますのですごい嬉しいです。


 よろしくお願いします。


霊歌「あらあら、週間ランキングどんどん下がってるね」


作者「……はい、そうですね」


霊歌「順位さらに下がったらわたくしのおもちゃ候補にしておくからよろしくね」


 作者の運命はどうなる。(間違いなく詰んだ奴やな)


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 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534

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