第一章「明日も観覧車が回るかは分からない」
1:「露原玲奈」
ツユとは幼稚園からの幼馴染だ。
最近は少し疎遠になってるけど、もしかすると今のことは昔より良く知ってるかもしれない。
何でかって?だって、あの子は特別だから。
そう、あの子は特別。雑誌の「teens ideal」のモデルで、今はまだ一モデルだけど、もう少しすれば専属になれるんじゃないかって話だし……それに成績はいつも学年10位以内、そんな人間いたら学年全体で噂にならない訳がない。
だから、放っておいてもツユのことはヘッドフォン越しに聞こえてくる。
良いことが9割で、男女を問わず。
あの子はアタシにとって誇りだ。
虎の威を借る何とやら、なんて訳じゃないけど、ツユが、あんな子が幼馴染だなんて、特に何も無いアタシにとっては誇れることの一つなんじゃ無いかな。
まぁ、本人には照れ臭いし言わないけどね。
何にせよ、アタシの知ってる、知らないけど見えてくるツユと、下校でたまに一緒になった時にたわいも無いことを一言二言交わす
……………そんな特に変わることないと思ってた関係性なんて、嫌なほど脆いものだ。
それを知ったのは、いや知らされたのは、ゴールデンウィークが終わって一月が経った、中間テスト終了日の夜だった。
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