第6話味がしない

それは、突然訪れた。

食べ物の味がしないのだ。よく言う、砂を噛んでる感じ。が、実際に起きた。

始めは、薄味だと思って醤油をかけたが味がしない。 

そのうちに、等々食欲が無くなる。

身体が資本の仕事。何か食べなければならない。

だから、ご飯を炊いて茶碗によそって、水道水をかけて、ズルズルかきこんだ。

仕事中は、会社の弁当が出るので自分の身体の変化を悟られないように、無理して食べた。

仕事帰りの、居酒屋も誘われても断る様になった。

26歳の時、初めて心療内科を受診し、精神安定剤と睡眠薬を処方されて、服用後しばらくすると、味覚が戻った。

居酒屋も再び行く様になる。

味がするって、こんなに大事なものだったのか?

それから、味覚が不調の時と好調の時が交互に現れた。

精神安定剤が効かなくなったのだ。そして、不眠症から自律神経失調症になり、拗らせてうつ病になった。

セカンド・オピニオンで大学病院を受診すると、うつ病ではなく統合失調症だった。

いきなり、その日に措置入院になったときは、ショックだった。

最後の入院から、8年。

今も、精神安定剤が効かなくなる日もあるが、味覚は正常である。

皆さんも心当たりあったら、何か病気のサインかも知れないので、病院へ相談に行かれる事をオススメします。

味覚が無くなるのは、とても辛い事なので。

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