第4話:連続イレギュラー

 イレギュラーで現れた地竜タイプの亜竜など、世界一のトレジャーハンターになる僕の敵じゃない。


 でも、亜竜を倒してよろこんでいるようではトレジャーハンターじゃない。

 宝物を見つけてこそトレジャーハンターだ。


 僕は急いで広場になっている廊下の周りを探す。

 天井、壁、床に新しい隠し扉ができていないか確かめる。


 イレギュラーは、深い所に人が来なくなったダンジョンが起こす。

 そうおばあちゃんが教えてくれた。


 浅い層に人間がよろこぶ宝物を移動させる時に、深い層にいるモンスターが現れると教えてくれた。


 おばあちゃんに合格と言ってもらえるくらいの速さで隠し扉を探す。

 教えてもらっていた通り、10個の隠し扉に1個の宝石がある。


 宝石が入っていた隠し扉の壁を更に探す。

 1つ見つかったと油断してはいけない、その中にもう1つの隠し扉がある。

 1万回に1回の銅インゴットが見つかるけれど、外れの1kg1000円だ。


 100万回に1回しか見つからない銀のインゴットで1kg12万円

 1000万に1回しか見つからない金にインゴットで1kg990万円

 亜竜が現れたのだから、最低でも銀のインゴットがあるはずなんだ!


 さっき助けたお姉さんがお礼を言いたそうにしている。

 でも今はそれどころではない。

 宝探しは早い者勝ちだから、お姉さんたちよりも先に探し出さないといけない。


 異様な気配に思わずその場を飛び下がる。

 二度もイレギュラーがあるなんて、おばあちゃんも教えてくれなかった。

 違う、ダンジョンでは何があるか分からないと教えてもらっている。


 今度現れたのは、水竜タイプに亜竜だ。

 地上の動物だと、ナイルワニに似ていると教えてもらった。

 全長6メートル、体重が1000kgはあると思う。


 たぶんだけど、さっきの地竜タイプを倒したから出て来たのだと思う。

 僕があまりに早く倒してしまったから、宝物を地下2階まで運べなかった。

 だから今度こそ運ばせようと、もっと強いモンスターを造ったのだ。


「下がって、できたら逃げて」


 じゃまになりそうな、お姉さんたちには逃げてもらう。

 直ぐに倒していいのなら、この場にいてくれてもだいじょうぶだけれど、宝物が地下2階に運ばれるまで待たないといけないから、ちょっと危ない。


☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画


ゆうご:うそ、うそ、うそ、また亜竜? 今度は水竜タイプ?


ノンバア:いや、いや、いや、今度もヤラセでしょう、ありえないよ!


豚キムチ:2回連続のイレギュラーなんて聞いた事がないぞ!


みゆき命:みゆき姫逃げて!


豚キムチ:逃げて欲しいけれど、みゆき姫は子供を置いて逃げたりしない!


Kenneth:2回もヤラセかよ!


Benno:いや、ヤラセじゃない、俺は映像が本職なのだ、これはヤラセじゃない!


Rafael:いや、日本のアニメ技術ならやれる!


Alban:そんな事よりも通報しろ、地下2階に二度もイレギュラーなんて事件だぞ!


藤河太郎:おい、あの男の子の付添人の顔に一致する冒険者がいたぞ!

    :タカラブネだ、世界的冒険者一家のタカラブネだ!


Benno:なに、タカラブネだと、家族全員がS級だと言うバケモノ一家か!


みゆき命:なんだよ、タカラブネ一家なら子供でも亜竜くらい倒す。

    :みてみろ、みゆき姫はヤラセなど絶対にしない!


Kenneth:まて、まて、まて、タカラブネファミリーでも子供に亜竜は倒せない。


Rafael:アメリカ人の言う事に賛成したくないが、その通りだ。

   :ロシア人にできない事が日本人にできる訳がない!


みゆき命:あ、危ない、逃げて、みゆき姫逃げて!


★★★★★★


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