第3話:手助けとファン

 仮免許用ダンジョンの地下2階程度には絶対に出ないモンスター、亜竜がいた!

 イレギュラーとか特異とか言われるとても危険な状態。

 C級の付添人が2人いたくらいではどうにもならな強敵だ!


「手助けはいるか?!」


 こんな時でも、手助けいるのかちゃんと確かめないといけない。

 後になって、撮影のためにわざと負けそうなふりをしていたのだと、言い掛かりをつけてお金をゆする悪い冒険者もいるのだ。


「だめ、危険だから逃げて!」


 僕と同じくらいの女の子3人をかばっている、高校生くらいのお姉さんが、僕を巻き込まないように、逃げろと言ってくれる。


「だいじょうぶです、これくらいの亜竜なら倒せます」


 目の前にいるのは、1人だとB級冒険者以上でないと倒せないような、地竜タイプの亜竜。


 全長が4メートルくらい、体重は200kgくらいだと思う。

 地上にいる動物なら、コモドオオトカゲに似ているかな?


「だめ、君のような子供に倒せるモンスターじゃないの、亜竜なの!」


 お姉さんは僕が亜竜と2階モンスターの区別もつかない子供だと思っている。

 そんな僕を巻き込まないように、必死で戦っているけど、ぜんぜんダメ。

 亜竜の硬いウロコを斬れないでいる。


 僕を巻き込みたくないのなら、後ろのおばあちゃんに助けを求めたらいいのに。

 あ、そうか、おばあちゃんが助けに行ったら、僕が危険になっちゃうのか。


 普通の冒険者はマナーの悪い人が多いと聞いているけれど、このお姉さんは良い人のようだ。


「月奈も3人を連れて逃げなさい!」


 僕と同じくらいの子供3人の盾になっているだけじゃない。

 もう1人いる付添人に3人を連れて逃げるように言っている。

 自分の命を捨てて4人を助ける気だ。


 トレジャーハンターを名乗る以上、助けられる人は絶対に助ける!

 僕はひいおじいちゃんが造ってくれた剣で亜竜の急所を突く!

 ダンジョンが造り出すモンスターには必ず急所があるのだ。


 その急所を全部覚えないとプライベートダンジョンには潜らせてもらえない。

 年下の従弟妹たちに負けるわけにはいかないから、がんばって全部覚えた。


☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画


豚キムチ:なに、なに、なに、どういうこと、どういうこと


ゆうご:うそ、うそ、うそ、小学生? 子供が亜竜を倒したの?


ノンバア:いや、いや、いや、ヤラセでしょう、ありえないよ!


豚キムチ:なんだと?! みゆき姫がヤラセをしていると言うのか!


みゆき命:そうだ、そうだ、みゆき姫はヤラセなど絶対にしない!


Kenneth:だけど、あんな子供が亜竜を倒すなんて、アメリカでもありえない!


Alban:フランスも同じ、子供が亜竜を倒すなんてありえない!


Rafael:ロシアでもありえない、世界一のロシア冒険者でもありえない!


豚キムチ:出て行け、みゆき姫が信じられない奴はでていけ!


みゆき命:そうだ、みゆき姫が信じられない奴は二度と来るな!


Benno:冷静になれ、証拠だ、真実なのかヤラセなのか、証拠を探せ!


豚キムチ:証拠ってなんだよ! そんなものどこにあるんだよ!


Benno:不正や犯罪がないように、記録用ドローンがライブ配信している。


Kenneth:そうか、この子供のライブ配信を探すのだな?


Benno:この子供が本当に亜竜を倒したのなら、

   :以前にも同じくらいのモンスターを倒している。

   :その記録動画を探せ、それでみゆき姫がヤラセをしていないと証明できる。


みゆき命:探せ、みゆき姫が信じている者は、こいつのライブ配信を探し出せ!


豚キムチ:おい、まて、また何か出てくるぞ!


★★★★★★


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