「擬人化って可愛い」

 妻はクレヨンが可愛く遊ぶアニメを見ていた。

 物が心を持つなんてないが、創作ではよくある。

「家も心を持つのかしら」

 妻の言葉は、現実となる。

 家の壁がゆっくりと蠢いた。

 床がねじ曲がり、天井が低く迫る。

 恐怖に凍りつく中、家は夫婦を飲み込み、血しぶきが壁に浮かび上がった。

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