菜食主義

 彼は菜食主義者であり、肉類を一切口にしない。

 動物を殺して食べることを可哀想と思ったからだ。

 野菜の皮を剥ぎ刻み、煮えたぎった鍋に放り込み料理を作る。

 だが、野菜は彼を追い詰める。

 つたは首を締め、種は肉に潜り込み、根が脳に張る。

 食われた野菜は、彼を苦しめ復讐を行う。

 よくも殺してくれたと。

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