第23話 海へ


 車の中でダイジロウがまたガチャを回そうと言い出した。

 車のパーツでも出ればいいと思って回させたら虹ガチャからクルーザーが当たった!

 ってことは?



「海だ!広いぞでっかいぞー」

「クルーザーの運転なんかしたことないぞ」

「そこはマニュアルを読みながらやるしかないだろ?」

 クッ!こいつらは俺に運転はさせる気だな!まぁいいけどな!


「海だぁ!魚だぁ!モンスターだぁ!」

「えい!やぁ!」

「なんだこいつら!マーマンか?」

「たぶんな!」

 海にクルーザーを浮かべたらマーマン達が大量に襲って来た。

「エンジン始動!右よし!左よし!行ってよし!」

「早くいけぇー!」

「おま、艦長に向かって何言ってやがる」

 どうにかマーマンを撃退し、放心気味のケンタとダイジロウ。エリーとサティは平然としている。

「マーマンは真ん中の核を狙えば一発です」

「サティも倒したよ」


「早く教えて欲しかったです」

「俺もそう思う」


 こいつらはさておき潮風が気持ちよく釣りでもしたいな。

 さてどこに行こうか?

「お、あっちに島が見えるぜ」

「本当だ!艦長、島がみえます!」

「それじゃあ、そこにいってみっか」


 ナビがあってよかった。

 これじゃ村に戻れないとこだぜ。

 島にはなぜか桟橋があり、そこに船を停止させて島に上陸する。

 

「第一村人を探そう」

「村あんのか?」

「あんだろ?桟橋があったんだから」

 などと喋りながら島に入って行くとそこは廃村だった。

「おろ?これまた怖いですねー」

「うるさいな」

「エリーは何か知ってるか?」

「いえ、こんな所に村があるなんて知りませんでした」

「だよなー」


 とりあえず村を見て回ると、本当に放置されてるのか?まだ新しい薪や食いかけの食べ物がおいてある。


「いた!女が一人いたよ」

「私達の村になにか御用ですか?」

 女は怪訝そうに言う。

「私達も何もここ誰もいないじゃないか?」

「いますよ。出て来ても大丈夫そうです」

 村のあちこちから村人が出て来た。

「なんだよ、いるならいるって言ってくれないと」

 ダイジロウは安心しているが、

「何の用だ!ここはお前達みたいな盗賊の来る所じゃないぞ!」

「盗賊じゃないし、ただ桟橋があったから使わせてもらっただけですよ」

 盗賊?海賊じゃなくて?

「べつに何か取ったりしませんから」

「ほ、本当か?なら良かった」

「盗賊が出るんですか?」

「あぁ、ここ最近でるようになっちまって」

「退治すりゃいいじゃん」

 またダイジロウの無責任発言。

「退治できないから怯えてんだろ?」

「本当にお前は」

「俺たちが退治してやるよ!」

「あぁ、言っちゃった」

 村民の眼差しが痛い。

「まあ、やるだけやるか」

「このままだとダメだろうしな」

 ケンタも同意して盗賊退治をすることになった。


「と、盗賊だぁ!」

 みんな穴の中に入っていく。ここに隠れてたのか。

「おっ!きょうは居るじゃねえか!別嬪さんも居るもんだな」

「はぁ、お前達やっておしまいなさい」

「「は!」」


 盗賊は二十人ほどが出て来ていたが驚くほど弱かった。

「で?アジトは?」

「ここの裏山です」

「連れて行くよね?」

「はい」


 裏山のアジトは洞窟タイプの場所でそこで生活しているみたいだった。

「オラオラ盗賊出てこいヤァ!」

「バッカ!」

「本当にバカだ」

 ダイジロウの一言で武装した二十人ほどが出て来た。

「んじゃやるか!」

「やる気出してんじゃねえ」

「なんだ手前らは?」

 ようやく親玉らしきでかいやつが口を開く。

「盗賊退治代行業者です」

「は?」

「いいや、行くぞ」

「はは。滑った」

「るせぇ」

 盗賊達をまとめるのにそんなに時間はかからなかった。まぁモンスターの方がよっぽど厄介だしな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る