神様のくれたご褒美

木野かなめ

神様のくれたご褒美

     深海のごと羊水の泡の音

   初メロディ届いているよさつき空



  百匹を数えて歩くかたつむり


  「青がいい」ゼリーづくりの意見合ひ


  流しそうめんにグミまで流しけり


  サイダーの泡でなぞなぞひらめいて


  雨の降るプールの軒で食うポテト


  向日葵や出し惜しみせぬいのちかな



     風

     光

     る

      宇

      宙

      の   ウェディング

       果ての



  ねぶりとる小さな舌や蕨餅

  手づくりのパンを振る舞う梅祭

  肩車の分だけ近い春の月

  オレンジのクレヨンの減る春炬燵



    居られるね一日長くうるう年



  遠足の道またたどる日曜日


  こどもの日オレンジジュースの瞳して



    聖五月      時長し

       五秒のハグの



  皐月来る変わらぬものと変わるもの


  ハンカチを洗つて返しせいくらべ



       風薫る

       またねそれまで

       元気でね

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神様のくれたご褒美 木野かなめ @kinokaname

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