第14話 家に襲来

 時間もが流れるのが早く感じる時があるだろう?

例えば、何か嫌な事を待って居る時とか……俺は今日、それを感じた。

あの約束をしてからは時が加速したように勘違いをするぐらい時間が経つのが早かった。

ちなみに授業内容は俺が住んでいる世界と全く同じだった。

俺は今、下校をしていた。

俺が異世界から来たという事を話した後からずっと―――神名だか瞳だか知らないが―――少女がずっと質問をしてきた。


「異世界ってどんなところですか?」


「こことあまり変わらないよ。まぁ“ほぼ同じ”かな。」


「じゃあどうやってこっちの世界に来たんですか?」


「…………家に着いたが2人ともこのまま上がるのか?」


少女は質問を無視されて頬を膨らませたが答えた。


「私は1回帰ります。少し準備するものがあるので……」


「そうか。お前は?」


「…………」


「おい!聞いてんのか?」


「あっ……私も1回帰ることにするよ。」


俺は内心ホッとした。

このまま上がられていたらこっちの世界の俺が怪我をしていることがバレてしまうところだった。

アイツには事情を話して無理やり怪我を治してもらおう。


「じゃあな。」


2人は帰っていった。

俺は2人を見送った後、すぐさま家に入った。


「おかえり……学校はどうだった?」


「おい。よく聞けよ。この後神名と瞳がここに来る!!」


「はぁ?!お前が異世界から来たってバレたのか?!」


「あぁ。それより速く怪我を治さないといけない。」


「無理だろ!!いきなり治るわけない!!」


「無理矢理治せよ!!」


「んな事出来るわけ無いだろ!!」


「演技でいいんだ。怪我をしていないという演技をするだけでいいんだ。良いか?お前は怪我をしていない。」


「僕は怪我をしていない。していない。そう思ったらなんか痛みを感じなくなってきた。心理学って凄いな!」


「まぁ物理的に治したんだがな……」


「えっどういうこと?」


「あっ!2人が来た!」


インターホンが鳴った。

俺は玄関に行きドアを開けた。


「お邪魔しま〜す。」


家に入るや否や2人は同時に言った。

奥からもう1人の俺が出てくる。


「わあ!本当に2人います!そっくりですね。」


「何しに来たんだ?別に僕の家には何もないぞ?」


「あ……遊びに来たんだよ。友達なら当たり前でひょ。」


少女が盛大に噛んだ。

俺は笑いそうになったがなんとか堪えた。

危なかった……


「瞳?なんか緊張してる?」


どうやら少女の名前は瞳だったらしい。


「いや、全然緊張してないし……初めての異性の家だからって緊張してないし……」


「わかりやすい説明をありがとう。まぁそう緊張するなよ。って言っても無理か……なんとか緊張を解く方法はないかな……」


「あ!それなら丁度良いものがあります!これを皆でやれば緊張も解けますよ。その名も『王様ゲーム』です!!」







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