恋した少女のつぶやき

霞上千蔭

第1話






誰よりも大切だった


誰よりも大好きだった




私を見る優しい目と


私の名前を呼ぶ少し低い声と


私を抱きしめる細い腕と


私をからかっていたずらっぽく笑う顔と




あなたがちょっとだけ気にしていた細い目も


笑ったときに端がくるんって丸まる口元も


かわいくて愛しくて仕方がなくて





私が好きだったあなたは

どこに行ってしまったのかな





あなたを信じていたの


どんなに不安になっても


どんなに苦しくても


どんなに寂しくても


あなたが幸せならそれでよかったの



でもあなたはそうじゃなかったんだね




そうじゃなくなったのはいつから?


私に嘘をつくようになったのはどうして?


私はどうしたらよかった?


そう考えてしまうけれど


きっと、どうすることもできなかったって

わかってるの




ねぇ、私もう好きって気持ちが怖いの



いつか失ってしまうなら

最初からいらないって思っちゃうんだよ



あなたのせいだからね





大嫌いだけど大好きで、心から愛した人



さよなら









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恋した少女のつぶやき 霞上千蔭 @chikage_

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