第22話 一撃必殺!『斧』の使い方! サイズの選び方から実践、討伐、ミノタウロスと対決まで(勝利の味はミノタウロスの即席ケバブ)

はいどーも! ダンジョンやす田チャンネルの、ダンジョンマスターやす田です。


新たに開設した『やす田寺院』の評判も上々の出だしを迎えた、ダンジョンやす田。

ダンジョン強化企画第二弾も……とした矢先、ここしばらく大工仕事ばかりだったドワーフ鍛冶師スミスの梶くんが鬱憤を溜めてしまい、猛烈抗議をはじめてしまいました。

というわけで、梶くんのご機嫌取りを兼ねて今回は、ドワーフの象徴、アックスについて解説していきます。

それでは、行ってみましょう。


はい、こちらが今回用意した、うちの倉庫に眠っていた斧たちです。斧はその原型が原始時代から存在する、槍と同じくらい古い道具です。本来は、樹木を伐採するための道具ですが、先端が重く、一撃の威力が高いため、武器としても古くから使わてきました。

やはり最大の利点は、同じ重さ、長さの剣と比べて、一撃で与えられるダメージが高いことですね。さらにこの重い斧頭ヘッドを叩きつける動作の関係上、硬い装甲を持っている相手に対して、装甲を破ったり、破れなくても内側を衝撃で破壊するなどの効果が期待できます。


欠点としては、対象への接触面が狭いので、目標物に効果的に当てるにはそれなりの練習が要ります。また構造上、持ち手に掛かる負担は剣よりも大きいです。斧を巧みに操って戦うには、かなりの筋力と体力が必要なので、ドワーフが斧を手に戦うのは、理にかなっていますね。


こちらの小さい斧は手斧ておのです。これは片手で使えるサイズの斧で、一般的な作業用斧に最も近い分類ですね。小型なので戦闘用としては心もとないですが、一撃の威力はそこそこで、携帯もしやすいという利点があります。また、このタイプの斧は投擲に使えるバランスで作られているものが多く、いわゆるトマホークと呼ばれる斧もこのタイプです。投げ斧はうまく使えば相手を一撃で倒せるくらい強烈なので、投擲武器として使うのも、アリですね。


手斧より大きなサイズになると、いわゆる戦斧バトルアックスになります。このタイプは専門的な、細かい違いの分類がありますが、大別すれば斧頭は金属で、柄は木製のものと、斧頭も柄も金属で出来ているものに分けて考えられます。ここにあるのは、柄が木製で、両刃の奴ですね。

当然ですが基本的に、この武器は両手で使います。柄が金属製の場合、非常に重たいですが、木製のものと違い、戦闘中に斬られて使用できなくなるリスクを負わずに済みます。そのため、至近距離での組打ちで、相手の武器や腕を絡みとったりする、いわゆる戦技コンバットトリックを使うことができます。戦技は主に剣を使っている場合は使いやすいですが、他の武器では難しいので、戦斧で戦技を決める冒険者は、かなり頼もしい存在ですね。


最後に、矛斧ハルバードです。これは厳密には斧というより、斧と槍、その他の攻撃手段を合体させた複合武器で、長柄武器ポールウェポンの一種ですね。

長い柄の先に斧と槍を合体させた複雑な形状の斧頭がついています。当然両手で構える必要がありますが、振り回すと遠心力がかかるので、自在に使いこなすには相当な練習と経験が必要です。ここにあるのは、以前ダンジョンにやってきた冒険者が忘れていったもので、自分でも使いこなせる自信がないですね。

使いこなせば斧頭に組み込まれた武器を、自在に操った多彩な戦い方ができるはずです。


やす田「梶くん、このハルバード使ってみる?」

梶「え、いいんですか」

やす田「もう大分長い間保管してるけど、持ち主が来ないんだよね。せっかくだから、使えそうな人に持ってもらった方がさ」

梶「わぁ、やった」


最近、ご不満の多かった梶くんにプレゼント。早速梶くんを連れて、試し斬りに行きましょう。

向かうのはダンジョンやす田の中層から深層部へと繋がる箇所に設けられた、吊り橋型のエリアです。

屋内型ダンジョンの内部とは一見すると思えない、深い渓谷に渡された吊り橋があり、エリアの特性で常に特定のモンスターがポップするようになっています。


吊り橋の前まで進んで、吊り橋の真ん前に立ちはだかるモンスターを確認。そこには赤い肌をした見上げる姿のモンスター、ミノタウロスが待ち構えていました。

ミノタウロスは、ご存じ、頭が牛の半獣巨人で、巨大な二本の角、手には分厚い刃を備えた斧を構えた、どう猛なモンスターです。頭はよくありませんが、戦闘意欲旺盛なので、自分の縄張りに近づくものへ果敢に襲い掛かってきます。


吊り橋に入ってきた自分と梶くんを見たミノタウロスが、鼻息も荒く突進してきました。


やす田「よし、梶くん、ゴー!」

梶「おっしゃあ。ヤー!」ガッシィィン

やす田「傷ついたら快復してあげるから頑張って!」

梶「了解。ヤー! ハッ!」ガン ガン


自分の二倍は体高があるミノタウロスと足を止めて打ち合う梶くんを応援します。傷を負ったら、適時ポーションを開けて投げ掛けてあげます。

梶くんの背中の筋肉が防具ごしでもわかるくらい躍動しています。普段の鍛冶仕事や大工仕事で鍛えられた筋肉がミノタウロスの攻撃を押し返していますね。


やす田「あと少しだ。梶くん、止めを!」

梶「うおー、パワー!」ザシュッ!


謎の掛け声とともに梶くんのハルバードが、ミノタウロスの肩から体内に深々とめり込み、すり抜けました。

悲鳴を上げてミノタウロスがその場に倒れました。討伐成功です。


梶「やったぁ!」

やす田「おめでとう!」


達成感に顔を紅潮させ、満面の笑みを浮かべる梶くんに、ご褒美をあげましょう。

目の前には牛がいます。そうです。ミノタウロスです。実はミノタウロスはダンジョン飯では美味として知られています。よく締まった肉質は脂肪分が少なく、しかも柔らかいため、煮たり焼いたり、どんな調理法でも活きる上質素材です。

早速、倒れたミノタウロスから肉を採取して、携帯炉の上で焼いていきましょう。味付けはシンプルに塩です。普通の牛肉なら、血抜きとエイジングが欠かせませんが、ミノタウロスの肉なら不要です。

携帯炉の上で良い色合いになってきた肉を、ナイフで削ぎ切りにして、梶くんに渡します。自分も一口もらいましょう。

いただきます。……うん。さっぱり、しかし濃厚な肉の旨味。そして火が入っているとは思えない柔らかい舌ざわり。これこそまさに、ミノタウロス肉です。


梶「……うっま。めっちゃうまい」

やす田「まだまだあるから、どんどん食べて」

梶「ご馳走になります!」


ニコニコ顔で肉を頬張る梶くんに、せっせと肉を焼いていきます。かなりの量を消費しましたが、まだまだミノタウロスは残っています。しばらくはこの肉で料理が出来そうですね。


はい、今回の動画は以上です。最後までご視聴ありがとうございます。

斧の解説と実践、討伐の様子、いかがでしたか。

手斧一本でも腰に吊り下げておくと、何かと便利なので、興味があれば装備の一つに加えてみてください。


自分たちはG県M市、T市でダンジョンやす田というダンジョンをやっています。G県には、多彩なモンスターや採取ポイントをもつダンジョンがたくさんあるので、もしG県に来た際には色々挑戦してみてください。


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