第12話 ダンジョンやす田のメンバー紹介! ダンジョンの朝から晩まで、ダンマスたちは何をしているのか?(色々食べたり飲んだりしながら)

はいどーも! ダンジョンやす田チャンネルの、ダンジョンマスターやす田です。


動画投稿を続け、いくつか質問を受ける機会も増えました。今回はその中で多かったいくつかの質問に答える形で、ダンジョンやす田を紹介レビューしていきたいと思います。

それでは行ってみましょう。


朝、ダンジョン開放前に受付フロアにある作業スペースで、動画のコメント欄をチェックする日課作業をしていると、続々とダンジョンやす田のメンバーが合流していきます。ちなみに朝一番でダンジョンの鍵を開け、日暮れの後に鍵を閉めるのは、ダンジョンマスターの役目です。

一番最初に来るのは、錬金術師の真理まりさんです。真理さんはダンジョン併設の錬金術工房に詰めて、冒険者からの受注でアイテムを生産したり、ダンジョンにポップするモンスターの生活環境を管理するのが主なお仕事です。この日も真理さんは工房の竈に火を起しがてら、手元の水晶玉でダンジョンの各階層の環境変化を観測しはじめました。

そんな真理さんに、自分からの差し入れとして、自作のマンドラゴラコーヒーを出してあげます。マンドラゴラはダンジョンで簡単に拾える薬草で、神経性のマヒ毒や石化性皮ふ炎などに効きます。そのマンドラゴラを綺麗に洗い、乾燥させ、乾炒りしたものがマンドラゴラコーヒーです。

差し入れのお返しに、真理さんからスライム饅頭「ぷにぷに」をもらいました。最近コンビニに出回っているスライム風中華まんですね。


そんな感じで一服していると、ドーラン・エルフの垂飯降たるいぶりくんが入ってきました。垂飯降くんは各種の精霊を使う精霊使いの免許を持っています。武器格闘技術も身につけているので、救出やパトロールといった自分の業務を補助してくれる、優秀なメンバーです。

垂飯降くんにもマンドラゴラコーヒーを配ると、お礼に例のドーラン・エルフビスケットをくれました。今回は垂飯降くんの手作りだそうです。……なんですかね、この何とも言えない温もりは。

垂飯降くんはドーラン・エルフお得意の変装技術を持っていて、老若男女問わない変装が出来ます。先日は戯れにドワーフに変装出来るか試してみたら、かなり完成度の高い変装を披露してくれました。垂飯降くんはわりと長身なので、身長差をどうやって誤魔化しているのかさっぱりわかりません。その辺りは企業秘密だそうです。


ぼそぼそした食感のドーラン・エルフビスケットをマンドラゴラコーヒーで流し込んでいると、ドワーフのかじくんが入ってきました。うっすらと、アルコールの匂いがしますけど、ドワーフ的には通常運転ですね。

梶くんも工房勤務で、冒険者の武器の修理や改良、ダンジョンのトラップ補修などが主な業務です。基本的に救出業務などに出張ることはありませんが、聞いてみると、ハンマーでちょっとしたモンスターくらいなら倒すことができるのと、初歩的な法力で治癒ができるそうです。これは初めて聞いたので驚きました。

なんでもドワーフ地下帝国では守護神に仕える僧侶が教職を兼ねるので、一般教養レベルで法力を覚えることになるそうです。……なんだか、ますますドワーフの文化に興味が湧いてきました。近いうちに必ず地下帝国に行ってみましょう!


以上が「ダンジョンやす田」を運営する正規メンバーで、時折パートタイムで、冒険者を雇って業務をしています。

メンバーが集まったので、今日の業務の確認、持ち越しになっている作業などをやりながら、冒険者の来訪を待ちます。

冒険者がやってきたら、入場前に氏名、職業、目標階層などを名簿に書いてもらいます。記入が済んだら入場料を戴き、代わりに鑑札を交付します。

これらの手続きは、ダンジョンの適正な管理のために必要な業務です。ダンジョン内で冒険者パーティが遭難した場合、ダンジョンマスターは彼らを捜索して回収する義務があります。

そのため、ダンジョンマスターは自分のダンジョンに入場する冒険者を記録し、目標までの到達時刻をパーティ構成から予測し、必要なら助言もします。「今の君たちでは〇〇階まではたどり着けないよ」といった、高すぎる目標に対する是正勧告もします。

こういったダンジョンマスターとの交渉が適切に行われた証として鑑札を交付します。鑑札がない冒険者がダンジョンで見つかった場合、正しい入口から入っていない冒険者とみなして、捕縛や排除の対象になりますし、万が一遭難しても捜索がなかなか行われないので、皆さんはきちんと指定された入り口から入って、ダンジョンの持ち主と交渉してください。


この日は、三組の冒険者パーティが入場してくれました。彼らがダンジョンに入ったのを見送ってから、昼食をとります。

今日はパトロール中に討伐したランドワームを使ってステーキを作りましょう。ワームと聞くと、なんだか芋虫みたいなモンスターをイメージすると思いますが、実はワームのほとんどはトカゲや蛇といった爬虫類です。ランドワームの肉も、爬虫類や鳥類のような淡白な肉質ですね。

ランドワームの肉に市販のスパイスを刷り込み、付け合わせにマンドラゴラの若芽のお浸しを用意します。マンドラゴラの若芽は、独特の風味があり、苦みも少なくて野草食としてお勧めです。

スパイスが馴染んだランドワームを焼いていきます。あらかじめ飾り包丁を入れておくと、後で食べやすくなります。肉質的に焼きすぎると固くなってしまいますが、モンスターの肉はしっかり焼かないと食中毒の原因になるので、しっかり焼きましょう。

はい、それではダンジョンメンバー全員での昼食です。昼食の準備もダンジョンマスターである自分の仕事ですね。

いただきます。……ん-!淡白ながらしっかりとした肉の味わいがあって、とっても美味しいです!付け合わせのマンドラゴラも、いい箸休めになりますね。

これは昼間からお酒が飲みたくなるな……、なんて思っていたら、梶くんが早速、氷で出来ている冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを出してきました。ドワーフはお酒への手が速いですね。

自分もたまらず、小コップで貰います。これは一般製品の、普通のビールですね。

……くぅー! たったコップ一杯なんて、反って飲まなかった方が良かったかも、という後悔がやってくるくらい、体に染みますね。

しかしドワーフと違って、自分は普通の人間なので、仕事中はこれくらいで我慢します。


その後、午後から泊りがけの探索をする冒険者を二組受付けて、午前中に入場した冒険者三組が、無事に退場してきました。

帰還した冒険者パーティを労って、記念品としてダンジョンやす田特製タグをプレゼントします。これも梶くんのお手製ですね。

このタグを見せてくれれば、次回以降の入場時に一部の記入などを省略でき、またG県内の他のダンジョンで見せることで、自分がどれくらいの実力と実績があるかを証明することができます。

タグを渡した冒険者たちを見送って、今日の業務は終了です。お疲れさまです。自分は受付フロアの片隅の仮眠室で休みながら、泊りがけの冒険者の救難信号がないか待機しつつ、その日はおしまいになります。

今回は救難信号はありませんでしたね。こうして夜を過ごして朝を迎え、また新しいダンジョンの一日が始まります。


はい、今回の動画は以上です。最後までご視聴ありがとうございます。


ダンジョンやす田の一日の紹介、いかがでしたか。この動画を見てダンジョンで暮らしたい、という気持ちを感じたら、近くのダンジョンのダンマスに相談してみてください。うちでは現在、正規のメンバーは募集していませんが、場所によっては人手不足でメンバーを探しているところもあります。

ただし、冒険者としてある程度の実績と実力が求められるしごとなので、将来ダンジョンマスターになりたい人は、まずは冒険者として旅立ちましょう。



自分たちはG県M市、T市でダンジョンやす田というダンジョンをやっています。G県には、多彩なモンスターや採取ポイントをもつダンジョンがたくさんあるので、もしG県に来た際には色々挑戦してみてください。


この動画がいいねと思いましたら、チャンネル登録、高評価、よろしくおねがいします。

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