第11話 「俺の剣」制作! ドワーフのスミスと理想の剣づくり! さらにオーガで試し切り!(祝杯はドワーフのビール)

ダンジョンやす田


はいどーも! ダンジョンやす田チャンネルの、ダンジョンマスターやす田です。


冒険者としてある程度こなれて、ダンジョン探索を繰り返し、装備を更新していく生活に馴染んでくると、だんだん頭に思い浮かべる理想の装備が形になってくる頃です。

そうなってくると欲しいもの、それは、自分だけのオリジナル武器。

ダンマスやす田も考えました。オリジナル装備品。今日は「俺の剣」を作っていきたいと思います。

それでは行ってみましょう。


ある時、ダンジョンの前で一人の若いドワーフが挨拶にやってきました。彼は新卒で新たに工房を開くために、近所の空き物件を見て回っていました。そこで自分は「だったらうちで工房をやらない?」と持ち掛け、ダンジョンやす田のメンバーに加え入れました。

こうしてダンジョンやす田の付属工房でハンマーを振るっているのが、ドワーフのスミスの、梶くんです。

今時のドワーフらしく、髭は短めですね。普段はダンジョンで使うトラップや

建具の制作、機械式ミミックの整備などを担当しています。


今回はこの梶くんと一緒に、新たに「俺の剣」を作っていきたいと思います。

まずは工房に移動しましょう。

はい、ダンジョンやす田、M市号棟の一角にあるのが、「工房やす田」です。

実は今回、ここに新しい炉を導入したので、剣の制作を思いつきました。

ダンジョンに入ってきた冒険者の方は、こちらに自分の装備を持ち込むと、修理や強化を受けられるので気軽にご利用ください。


では剣の制作をしていきましょう。今回は梶くんがあらかじめ用意してくれた鋼のインゴットをベースにしていきます。インゴットは地金とも言いますね。いわゆる金属の塊です。オリハルコンやミスリルみたいな、希少で有名なインゴットは、ダンジョンの深層で稀にドロップします。


このインゴットを、梶くんが炉で熱して、叩いて、形成していきます。炉の温度調整が胆だそうです。


やす田「暑い……」


傍で作業を手伝っていると、汗が噴き出てきます。梶くんは汗一つかいてません。やっぱりドワーフは頑丈ですね。


ある程度形になってきたら、付加する特殊素材を決めます。付加する素材によって剣の性質や属性が変わってくるので、とても重要です。

今回はやす田秘蔵のモンスタードロップ素材、ドラゴンのうろこを使っちゃいましょう。これはレッドドラゴンのうろこですね。

梶くん曰く、ドラゴンのうろこを使うと武器に粘りとまろやかさが加わるそうです。……すみません、よくわかりません。

スミスの世界が独特なのか、ドワーフの文化的なあれなのか、これは次回の課題ですね。


はい、こちらがレッドドラゴンのうろこを付加した、「やす田の剣」です。

長さは平均的なロングソードくらいですね。形は片刃にしてもらいました。

目を引くのは、ドラゴンのうろこを思わせる、この鱗紋ですかね。あとやっぱり自分専用なのか、とても握りやすく、手に馴染みやすいです。

案外武器っていうのは刀身の部分より、握りとか、鞘などの装具の方が大事なのかもしれません。

ちなみに柄と鞘も梶くんの手作りです。やっぱりドワーフは器用ですね。


それでは、軽く試し切りをしてみたいと思います。今回はダンジョンやす田の中層階にポップする、グリーンオーガを討伐してみましょう。

オーガは所謂人食い鬼ですね。腰巻や貫頭衣のような粗末な服を着ていて、石の剣を持っています。最大の特徴は体が大きくて、力が強いことです。初めて中層階までやってきた冒険者が、出会い頭に鎧ごと真っ二つにされた、なんてことはさほど珍しくありません。

オーガを倒せるようになったら、初心者卒業ですね。


グリーンオーガを発見しました。逃げられると面倒なので、背後から不意打ちを決めます。対人だと不意打ちをすると最悪警察のお世話になりますが、モンスター相手なら、不意打ちは有効です。自信があるなら、積極的に不意打ちを狙うくらいの気持ちでいきましょう。


やす田「……おっ、斬れる」


はい、不意打ち成功です。見てください。見事に一撃必殺です。右肩から入った剣が、背中に背負ってる石の剣ごと背中を切り裂いて、左腋から抜けています。

素晴らしい切れ味です。これが自分専用の武器とおもうと、感慨深いですね。


俺の剣完成を祝って、梶くんと祝杯をあげます。呑むのはドワーフ地下帝国エンパイアにあるビール工房『ギムリビール』の『クラシックエール・金』です。

ドワーフの秘蔵技術により、ポップなどの添加物を最小限に、純粋な水と小麦の味を楽しめるエールになっています。あとドワーフのビールというと、やたらアルコール度数が高そうなイメージがありますが、これはそれほど高くありませんね。

梶くん曰く、最近は異種族間交流が増えたので、度数控えめの品目が流通しやすくなったそうです。度数が低い分、ドワーフはよりたくさん飲めるので、その点でも評価されているとか。

ビールのアテに何かないかな、と探していたら、梶くんがオーガを指さしました。え、オーガって食べられるの?と思いましたが、梶くん曰く、肩や背中などの、よく動かす部位の肉が美味しいらしいです。

ここは、勇気を出して挑戦してみましょう。冒険者は勇気が大事、新しい武器に見合った冒険心を養うべく、オーガの死体を解体して、肉を取ります。

切り出した肩肉と背中の肉を一口大に切ります。これに塩、植物油、コショウをよく和えます。

和えた肉を携帯コンロの上に置いた、石の上で焼いていきます。即席のオーガ焼肉の完成です。

それでは食べてみましょう。……ん-、想像していたような、臭みみたいなものはないですね。締まった肉質で、噛むほどに味が出てきます。ただ、食べているとだんだん顎が疲れてくるくらい固いです。これはもっと薄く切ってもよかったかな、なんて思ってたら、梶くんがバクバク食べてました。ドワーフの顎は強靭ですね。


はい、今回の動画は以上です。最後までご視聴ありがとうございます。

「俺の剣」制作、いかがでしたか。今回、「やす田の剣(レプリカ)」をダンジョンやす田内の宝箱に用意しました。ドラゴンのうろこではなく、オオトカゲのうろこを使ったものなので、切れ味は一段下がりますが、デザインは全く同じものです。興味がありましたら、ダンジョンやす田までお越しください。たくさんの挑戦者をお待ちしてます。


自分たちはG県M市、T市でダンジョンやす田というダンジョンをやっています。G県には、多彩なモンスターや採取ポイントをもつダンジョンがたくさんあるので、もしG県に来た際には色々挑戦してみてください。


この動画がいいねと思いましたら、チャンネル登録、高評価、よろしくおねがいします。

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